ロードレースみるひと

ロードレース観戦ガイドのブログ

【基礎編】用語解説みたいな。その1(あ行〜さ行)

 

ロードレース観戦しているとよく聞く言葉。あるいは知ってるとちょっと楽しいもの。アバウトな解説に独自拡大解釈を交えてます。ワードは50音順。

※思いついたらちょこちょこ更新するかも。

 

◎あ行

【アクチュアルスタート】スタート地点から少し離れた場所でリアルスタートする方式。先導する車に乗った審判が旗を振るのがスタートの合図。混雑する市街地での危険回避と観客へのアピール、レース中継で街をお披露目する目的がある。

 

悪魔おじさんツール・ド・フランスやジロほか有名レースに出没する名物コスプレ観客。赤い悪魔の衣装でひげもじゃで三叉槍を持っているおじさん。およそ30年前から登場しツール公式グッズにもTシャツなどがあるほどの人気者。さいたまクリテリウムにも来日し女の子と戯れてる姿が目撃される(目撃した笑)。箱根駅伝に出没するドラゴンボールのキャラクターの先駆けだろうか。

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【アタック】集団から飛び出すこと。アタックが得意な選手は「アタッカー」とも呼ばれ、パンチャー系の選手に多い。ライバルを牽制するアタック、集団にゆさぶりをかけるアタック、本気で勝ちに行くアタック、様々なバリエーションがあるが、彼らが動くとレースは面白くなる。体力を消耗するので無駄なアタックが多くなるとレースを捨てることにもなる。

 

アルカンシェル世界選手権の優勝者の証。白地にレインボーのラインをつけたジャージを1年間(次の世界選手権まで)着用できる。ロードレース、TT(タイムトライアル)以外にもトラックやシクロクロスなど競技毎にアルカンシェルはいる。

また過去に世界王者になった選手は、チームジャージの袖口や襟元にレインボーのラインを入れて着用できる。引退するまでずっとタイトルを獲得したことを誇れるのだ。

★ジャージの種類はこちらもご参考に。

 

【アルデンヌ・クラシック】オランダ南部からベルギー東部にかけてのアルデンヌ地方で開かれるクラシックレースの総称。一般にアムステルゴールドレースフレッシュ・ワロンヌリエージュ~バストーニュ~リエージュを指す。開催時期は4月中旬から下旬。丘陵地形の中を走り、パンチャーや総合系の選手が得意とする。

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フレッシュ・ワロンヌの名物激坂『ユイの壁』。斜度は最大26%もある、まさに壁。

 

エシュロン強い横風の抵抗を抑えるために、縦ではなく斜め横に組む隊列のこと(風下に位置取る)。特にクライマー系の体重の軽い選手は、風の抵抗によって前に進むことが困難になる。集団が分断するとタイム差が付きやすく、後続グループが風が止む区間で追いつくことができても脚をつかうことにもなるので疲労し不利になる。吹きさらしになる平坦路や海沿いなどが発生しやすく危険である。

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【泳がす】逃げる選手を容認する(メイン集団が追わない)こと。この場合はあまり強い選手でないことが多い(勝てる選手が逃げる場合は危険なので容認されないため)。あとで追いつける距離を保って追いかけるか、ステージレースの場合は総合成績がよくない選手ならステージ勝利をさせる場合もある(後続の選手たちが消耗を防ぐ目的で遅めに走る)。

 

 

◎か行

【獲得標高】レースにおける登る高さ。1レースで4000mを超えることもざらにある。富士山を軽く超える高さ・・・自転車選手ってすげえ。グランツールでは全ステージをこなすと5万メートルを超えたりする。もう理解の範疇を超えてなんと言ったらいいのかわからない。

 

【クラシック】ワンデーレースにおける歴史と格式のあるレース。

★クラシックレースについてはこちらを参照。

 

クリテリウム街中で行われる周回コースのレース。何周もするため選手を何度も見れるので観戦にお得感がある。日本ではこのタイプのレースが割と多い。中でも海外の有名選手が来日する『さいたまクリテリウム』がおすすめ。

 

グルペット先頭集団から遅れた集団。山岳コースにおける登りが苦手なスプリンターや、怪我や体調不良による選手たちが連なって走る。あまる差が広がるとタイムアウトで失格になるため、注意が必要。この集団から遅れることはレースからの脱落を意味する。

 

ケイデンスペダルの回転数。1分間に回転する数が60回であれば60rpmという。一般的にロードバイクを乗る時には90rpmが基準になると言われる。上り坂はギアを軽くし脚を多く回す方が少ない力で登れる。反対にスプリント時には一番重いギアで力任せに思い切り漕ぐ必要がある。スピードの出る下り坂は70km/hを超えるとペダルを回してもほとんど速度が上がらないので、選手たちはペダルを止めて空気抵抗を減らすスタイルで降りる。ギアのセッティングにもよるが、選手たちの足の回転速度を見ていると特徴や疲れ具合がわかることがある。

 

 

◎さ行

【山頂ゴール】山岳コースや丘陵コースでの上り坂の途中、もしくは頂上に設定されたゴール。タイム差がつきやすいステージになるため、総合勢の勝負どころ。

 

【山岳カテゴリー】勾配角度や登坂距離によって山岳に設定されるランク。おおよそ次のような基準で決められる。超級:標高差1000m以上/1級:標高差600〜1000m/2級:標高差400〜600m/3級:標高差200m〜400m/4級:標高差200m以下。山岳ポイントはカテゴリーによってポイントの高さが変わる。より高い山に一番に登った選手がより高いポイントを手にする。

※レースの主催者が決めるため正確な基準ではなく目安です。

 

【山菜採り】山岳コースなどで道路外に落車する選手、あるいはその行為。海外のレースはガードレールがない道がほとんどなので非常に危険。

 

【新聞紙】高地における防寒対策の一つ。選手たちはジャージの上にジレやレインウエアを羽織り、下には新聞紙を入れる。テクノロジーが発達した現代でも簡便性や使い捨てられるためよく使用される。観客たちが山頂で選手に渡す新聞紙を持ってる光景をたまに見る。新聞紙はあたたかい、らしい。

 

【スーパータック】ダウンヒル時に空気抵抗を減らすために選手が取る姿勢。ハンドルにあごをのせるようにし、お尻をトップチューブ(ハンドルとサドルの間のフレーム)に乗せて走る。2021年4月から禁止された。この行為を行うとポイント剥奪や罰金、回数によっては失格となる。

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【スポンサー】チームやレースをサポートする企業や団体。チーム名になったり、ジャージや機材に名前が入る。選手にとって非常にありがたい存在。ゴールするときはジャージのジッパーを上げてきちんとスポンサー名が見えるようにしてガッツポーズするのが正しいお作法。

 

スリップストリーム前の走者のすぐ後ろの空気抵抗が少なくなる場所に入ること。空気抵抗が少ないだけでなく、気流の中に入り込めるため、より小さな力で走ることができる。集団で移動するのかこの効果を狙うためで、特にゴール前スプリント時にチームで組むトレインは最大限に利用したいので、前を引っ張るチームメイトのすぐ後ろを走ることが多い。

 

【セカンドエース】レースにおけるチームで2番目のエース。エースに不慮の事態が起きた時に変わってエースとなる。2021年のレースでいうとジロでのカルーゾ(バーレーンのエース・ランダが落車でリタイア)やツールでもヴィンゲゴー(ユンボのエース・ログリッチが落車でリタイア)が大健闘し、ともに総合2位になった。

 

【先頭交代(ローテーション)】チームの隊列で走行中に順番に先頭を交代すること。先頭は空気抵抗にあうため体力を消耗しやすいため。エースは先頭交代には加わらない。また、逃げ集団では違うチーム同士で協調し先頭交代を行う。逃げ集団に乗りながら、逆に後続集団に追いつかれる目的で先頭交代に加わらない選手もいる。そのあたりはチーム戦術による駆け引きがある。自身が消耗しないために先頭交代に加わらない選手が怒られてる姿もよく見る。カラパスが疲れたふりをして後でアタックする(三味線を引くと言う)ことがちょくちょくある。

 

 

◎た行〜は行はこちら。

◎ま行〜わ行、A〜はこちら。