ロードレースみるひと

ロードレース観戦ガイドのブログ

【基礎編】用語解説みたいな。その3(ま行〜わ行他)

 

ロードレース観戦しているとよく聞く言葉。あるいは知ってるとちょっと楽しいもの。アバウトな解説に独自拡大解釈を交えてます。ワードは50音順。

※思いついたらちょこちょこ更新するかも。

 

 

◎ま行

マイヨジョーヌツール・ド・フランスにおける黄色いリーダージャージ。他にポイント賞の「マイヨヴェール」、山岳賞の「マイヨアポワ」、ヤングライダーの「マイヨブラン」がある。レースによってリーダージャージの色や名称は変わる。

★マイヨジョーヌほかリーダージャージはこちら参照。

 

【モニュメント】クラシックレースの中でも特に伝統や格式のある5つのレース。春(3-4月)に行われる「ミラノ〜サンレモ」「ロンド・ファン・フラーンデレン」「リエージュ・バストーニュ・リエージュ」「パリ〜ルーべ」と秋(9月)の「イル・ロンバルディア」がある。人気と名誉はグランツールに匹敵する。

★モニュメントは別途紹介予定。>coming soon

 

【モンヴァントゥー】ツール・ド・フランスにおける名物超級山岳。アルプスとピレネーの中間に位置する独立した山。「プロヴァンスの巨人」や「魔の山」とも呼ばれ、樹木がほとんど生えてなく石灰岩で覆われるため、白っぽいグレーの山に見える。樹木がないことから遠くまで見通せてヘリの空撮でも見やすい。強風が吹くこともある難関山岳のため、ここを制する選手は「真のクライマー」と呼ばれる。選手たちの数々の悲喜こもごもが繰り広げられた。2021年はここを二度登るレイアウトが組まれ、ファンアールトがステージ優勝した。

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【モンテ・ゾンコランジロ・デ・イタリアにおける名物超級山岳。ツールでのラルプデュエズと比べると登坂距離は短いが勾配がきつく、ヨーロッパでは最も厳しい山岳のひとつ。登坂ルートは複数あり、難易度は開催される大会で違うが、2021年第14ステージに組み込まれたルートは、最大勾配が27度という恐ろしい傾斜と、雪が残る気温5度の厳しい状況で多くの選手がタイムを失った。ステージ優勝したのはエオロ・コメタ(プロチーム)の若い選手フォルトゥナート。チームオーナーの英雄的自転車選手だったコンタドールの興奮ぶりが話題になった。★興奮したコンタドール氏はこちら。

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多くの観客で埋まるゾンコラン。新型コロナ前はこんな光景が見られた。

 

 

◎や行

【横風分断】レース中の強い横風によって集団が分断すること。「エシュロン」と呼ばれる体型をつくって凌ごうとする。→「エシュロン」の項目参照。

 

 

◎ら行

【ライオン】ツール・ド・フランスでステージ毎にリーダージャージに与えられるライオンのぬいぐるみ。提供はマイヨジョーヌのスポンサー『LCL』。クレディ・リヨネ銀行が不祥事で改名したときも途切れず、ライオンは渡され続けている。

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【落車(テレビ観戦者の)】観戦中に寝落ちすること。日本ではライブ中継は深夜になるため、気を向くと落車しやすいのでご注意を。

 

ラルプデュエズアルプス山系にある名物超級山岳。冬季にスキー場になる山のつづら折りの道は数々の名勝負を生み出してきた。あまりにも過酷な山岳のため、このステージを優勝する選手は総合優勝できないというジンクスもある。2022年は4年ぶりにコースに組み込まれた。7月14日フランス革命記念日、フランス中が盛り上がるに違いない。

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【ランタン・ルージュ】ツール・ド・フランスで全てを完走した中で一番遅かった選手。名称は列車の最後尾を照らす赤いランプに由来する。ある種の栄誉でもある。ウィム・ファンセヴェナントは3年連続で獲得した、ちょっとしたヒーローだ。マイヨジョーヌと比較されて彼は「あっちのほうが俺より速く走らないといけないのはたしかだな」と答えた。

 

【リードアウト】スプリンター向けの平坦コースの最終盤に組まれるトレイン(隊列)。スプリンターを飛び出させるためにチームが一列になって極めて高速で巡航する。先頭を引く選手は息を止めて全力疾走したのち離脱し、次の選手も同じことを繰り返し、最後はエーススプリンターがゴールを目指す。スプリンターが勝つためにはチームの協力が重要なのだ。

 

【リーダージャージ】ステージレースで総合成績が一番いい選手が着用するジャージ。目立つので常にライバルチームからはマークされる。各ステージのスタート時には最前列に並ぶ。選手とっては一度でも着たい栄誉である。レースによってジャージの色や名称は変わる。マイヨジョーヌはツールにおける総合成績のリーダージャージ。★マイヨジョーヌほかリーダージャージはこちら参照。

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【ローテーション】先頭交代と同義語。→「先頭交代」参照。

 

 

◎わ行

【ワールドチーム】UCIが設定するワールドツアーに参加できる最上位カテゴリーのチーム。2022年は全18チームでおよそ600人の選手が所属し、日本人は新城幸也と中根英登の二人がいる。その下のカテゴリーは、プロチーム、コンチネンタルチームと続く。日本国内の自転車競技チームのカテゴリーはコンチネンタルチーム。

★ワールドチームの紹介はこちら。

 

 

◎1〜9、A〜

【3kmルール】ステージレースにおいて、平坦ステージでゴールの手前3km以内で起きたクラッシュやバイクトラブルで遅れても、関係した選手をその時いた集団と同タイムでのフィニッシュ扱いにする救済措置。例えば、メイン集団で走っていた選手が残り2km地点で落車し通常走行が不可能になった場合、どれだけの時間遅れても、そのステージはメイン集団と同じタイムでのゴールとなる。理由はゴール前の有利な位置取りをするための激しい接触や無茶な走り方をしないよう、危険回避することが目的。

 

【5勝クラブ】ツール・ド・フランスで総合優勝を5回すること。過去4人しかいない。現役ではクリス・フルームが4回達成しているが、数年前に大腿骨を折る大怪我をしてからはひとつもレースには勝てていなくなかなか厳しいところ。23歳にして2勝目を挙げたポガチャルが数年後には達成するかもしれない。

 

【DNF、DNSレースのリタイアのこと。DNF=Do Not Finish(未ゴール、途中棄権)、DNS=Do Not Start(未スタート、レース前の棄権)。

 

GCステージレースの個人総合成績(GCGeneral Classification)。総合成績上位を狙う選手をGCライダーとも呼ぶ。

 

【OTL】Over Time Linitの略。制限時間内でゴールできないこと。☞「タイムオーバー」の項目参照。

 

【TT】タイム・トライアルの略称。個人のITT(Individual Time Trial)とチームのTTT(Team Time Trial)がある。☞「タイムトライアル」の項目参照。

 

UCI国際自転車競技連合のこと。基本的にレースを管轄しライセンスやポイントやルールを決める機関。ロードレース以外にもシクロクロス、トラック、MTBほか自転車競技全般を統括。UCIポイントによるランキングは選手の強さを知る目安にもなる。

 

 

◎あ行〜さ行はこちら。

◎た行〜は行はこちら。