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ロードレース観戦ガイドのブログ

【基礎編】ジャージの違いと選手の見分け方

 

走っている選手は、ヘルメットをかぶりサングラスをし同じようなフォームに見えるので、慣れるまでは誰が誰だがわからない。いや、慣れてもわからないこともある。中継している解説者ですら間違うことも多いくらいだ。それでも、いくつか見分けるポイントやコツがある。

 

 

◎レース中の選手の見分けポイント

1. ジャージ

チーム毎に違うので覚えやすい。ただし同じチーム内の選手の違いは判別しにくい。リーダージャージやチャンピオンジャージなど個別判断がしやすい場合もある。彼らはプロトンの中にいても非常に目立つ。以下、2022年のチームジャージとリーダージャージをまとめたので、観戦時の参考にどうぞ。

 

◎2022年ワールドチームのチームジャージ

およそ半分くらいのチームは昨年からかなりの変化があり、これから覚えなおさなくてはいけない。カラーリングやデザインに特徴があるチームは集団内にいても目立つ。またレース限定のジャージを着ることもある。2021年の例では、ツールの初日に45年前のジャージカラーで走ったアルペシンや、地元のロンド・ファン・フラーンデレン限定でチーム名を変えたクイックステップ(限定チーム名:エレガント・クイックステップ)など。

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※画像は各レースのWEBサイトからお借りして構成しています。

※EFエデュケーションのジャージは未発表のため、発表後に差し替え予定。

 

 

◎リーダージャージ

ステージレースでは、各成績のリーダーが着用するジャージがある。以下代表的なものとして、グランツールのリーダージャージを記載する。

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※画像は各レースのWEBサイトからお借りして構成しています。

◆総合リーダー…総合成績のトップ(合計タイムが一番早い選手、GCライダーの名誉)

◆ポイント賞…スプリントポイントのトップ(スプリンターの名誉)

◆山岳賞…山岳ポイントのトップ(クライマーの名誉)

◆ヤングライダー…25歳以下で総合成績のトップ(若手のGCライダーの名誉)

 

 

アルカンシェル&ナショナルチャンピオンジャージ

アルカンシェルは世界選手権、欧州王者は欧州選手権、国内チャンピオンはそれぞれの国内選手権の優勝者が、次の選手権まで一年間着用できる。国旗のイメージがあしらわれているカラーリング、デザインが多い。チームジャージも兼ねるのでスポンサー名が入るため、獲得した選手のチームによりデザインは変わる。なお白地基調のジャージが多いのでパッと見は判別しにくい国が多い。

※以下一部の例

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※画像は各チームのWEBサイトからお借りして構成しています。2022年と一部2021年があります。
※コルブレッリはイタリアチャンピオンと欧州チャンピオンのダブルタイトル。

 

以上を参考にレースを見ると選手を覚えやすくなるが、この時期は注意すべき点が。2021年のジャージの印象が強いと混乱するのと、移籍した選手が全体の2割弱いるので慣れるまでは混乱必至。

★選手の移籍状況はこちら参照。 

 

 

 

2. 体型・フォーム

体の大きさ(ルーラーやスプリンターは大柄な選手が多く、クライマーやパンチャーは小柄な選手が多い)、背中の丸め方、脚の回し方、腕の形や位置などに特徴のある選手もいます。

 

3. ヘルメット、アイウェア、グローブ、バイク

同じチームでもカラーが違ったり、サングラスが特徴的だったり、つけていない選手もいます。最近はヘルメットから毛がはみ出しているのがトレンドのよう。

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↑こちらは参考として。左柄の黒いジャージ(イネオス)の3人はヘルメットが少しづつ違う。右側のブルーのジャージ(クイックステップ)の3人はアイウェアやひげなどが違う。また、体型やフォームも癖がある(なで肩・いかり肩か、肘の曲げ方など)。

 

4. 顔・ひげ

肌の色、ひげや口元に違いも。ヒゲの選手は覚えやすいかも。空気抵抗を減らすためにすね毛を剃るのにヒゲは伸ばすという不思議。笑(実際にどのくらい空気抵抗があるかは不明。またすね毛を剃る最大の理由は怪我の処置に楽だから)

 

5. ゼッケン

背中のゼッケンとバイク(サドルの下)についている。ゼッケンはレース毎に違うのでスタートリストが必要。

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↑こちらも参考として。東京オリンピックのスペインチーム。ジャージは同じだが、普段は別のチームに所属しているためヘルメットもバイクも全て違う。選手の背中とバイクのサドル下にゼッケンがついている。

 

6. 動きからの予想

選手にはチーム毎に役割があり、平坦でチームの先頭を引くルーラー系の選手、後ろにいるのはエース、逃げに乗ったりアタックをかける選手はパンチャー系の選手、といった具合に展開や位置取りである程度予想できるようになります。ゴール前のスプリントが始まるとスプリンターが前方に位置取りし、山岳で集団が絞られてくるとエース級の選手ばかりになります。

 

 

→結論:好きな選手、要注目の選手の特徴を覚えるしかありません。

サイモン・イエーツとアダム・イエーツという双子が同じチーム(バイクエクスチェンジ)で走っていた。体型も成績も近しく、見分け方としてはイヤホンを右につけるか左につけるか、なんて噂もあった。2021年からアダムがイネオスに移籍し、見分けることが楽になった。