2月20日から開催された【UAEツアー】。ワールドツアーステージレースの最初のレース、その結果を簡単に振り返ります。もちろん、自分のプレビュー(予想)へのひとり反省会も。
総合優勝のポガチャル。今年もこの男はやはり強い。
◎レース結果:総合成績
【予想文面】→ 本命はポガチャル、対抗がアダム・イエーツとウラソフ。他にデュムラン、バルデ、ビルバオ、マーダー、マスナダ、アルメイダあたりが表彰台に絡んでくると予想。他の上位候補は下記表を参照。
【結果】→ 総合優勝はポガチャル。2位アダム、3位ビルバオ、4位ウラソフ。アルメイダも5位。バルデ、ブシャール、デラクルス含めて総合トップ10のうち8人の選手を当ててほぼ予想通りだが、これは鉄板予想でもあるので逆に違ったら何か異変があったというレベルと思ってる。それだけ各チームのエースが順調に結果を残したと感じる。ただしデュムランだけは誤算。TTステージは3位と好調に見えたが山岳は早々に遅れ、このままではエースで臨む予定のジロも厳しいかもしれない。調子をあげてほしい。
少し前に新型コロナに感染したポガチャルだったがほとんど影響は感じられず、山岳ステージは2つとも勝利、TTでも4位と文句なしの強さでチームにとっても重要なレースを勝ちきった。UAEチーム エミレーツはアシストたちの強さも際立っていた。ツールでも重要な役割を果たしたマイカ、新加入のアルメイダ、ジョージ・ベネットらが期待通りの役割を果たし、ポガチャルの援護体制は過去最強レベル。アクシデント以外でポガチャルが失速するのは想像できない。
アダムとウラソフも十分に健闘した。アダムは勝負どころで積極的なアタックを見せ、非常に好印象の仕上がりを見せた。イネオスは登りでも脅威的に援護したガンナと新加入の期待の新人プラップは想像以上に力強い登りの脚を見せて、他のメンバーも揃えば打倒ポガチャルを果たすチームの可能性がある。ただし、そのためにはスプリントが犠牲にしないといけないだろう。それはユンボも同様だと思う。
第3ステージのTTではビッセガーがガンナを下した。アルメイダ、ウラソフも持ち味を発揮し、アダムも好成績を残したのは今後の総合争いにも好材料。TTではフィリプセンが10位に入ったのは驚いた。
◎レース結果:スプリントステージ
各チームのエーススプリンターが揃った中でフィリプセンは別格の存在感を見せつけた。
*表の左のリザルトはポイント勝の順位。右端にステージ成績を記載。
【予想文面】→ 平坦ステージが多く、各チームがエース級のスプリンターを揃えてきている。現時点のチーム内の序列やトレイン含めた調子の良さを確認しておきたい。昨年のレース運びでいえば、カヴェンディッシュとフィリプセンが少し抜けている印象。今年の調子の良さではヴィヴィアーニ、カヴェンディッシュ、フルーネウェーフェン、モスケッティがすでに優勝し調子は良さそう。実績でトップクラスのアッカーマン、サム・ベネット、デマールも勝利が欲しいところ。個人的に若手で気になるのはダイネーゼとテイセン。また同じような実力の選手を揃えたトレックはどのように戦うのか。昨年はサム・ベネットがステージ2勝し相性はいいが、膝の故障で夏以降は精彩を欠いていたが調子は戻ったのか、あるいは実力者のダニー・ファンポッペルがエースなのか。いずれにしても、ここで勝つ選手は今季の主役スプリンターとしてみて間違いない。
【結果】→ ここも順当な結果。平坦ステージはフィリプセンが2勝、カヴェンディッシュが1勝(2位フィリプセン)。もうひとつの平坦ステージはガスプロムの19歳ヴァチェクが逃げ切り、集団内ではフィリプセンが先着、好調さを見せつけた。アッカーマン、ヴィヴィアーニ、サム・ベネット、フルーネウエーフェン、デマールも強さは見せたが、フィリプセンとカヴには真っ向勝負では及ばない印象を残した。この中でボーラのダニー・ファンポッペルが最終アシストとして凄まじい走りを見せたのは印象深い。個人的には、昨年末からいまひとつ調子の上がらないサム・ベネットよりもスプリントエースとして勝てるのではないかと感じている。
予想の反省点としては、オラフ・コーイ(ユンボ/トップ10:3回)とルディ・バルビエ(イスラエル/トップ10:2回)の名前を挙げていなかったのは反省点。
◎総合トップ10(2022年)
最後に総合トップ10を上げておく。UAEツアーは砂漠、岩山、ドバイの街並み、と風景にも見所が多く、ずっと眺めていられるレースだった。ヨーロッパのレースでは見られないその一部を上げておく。