3月16日に開催された【ミラノ〜トリノ】。ほぼ平坦なコースは、スプリンターたちの集団スプリント勝負になった。
◆2022年のレースの模様はこちら(シクロワイヤードの記事)。
勝利したカヴと後ろでガッツポーズするモルコフ。これぞウルフパック。
◎レース結果:トップ10
予想通り、スプリンターがゴール前で激しく叩き合う展開で、最後に抜け出したカヴェンディッシュが貫禄を見せ、通算159回目のガッツポーズを見せた。トップ10のうち6人が30代とベテランが力を発揮したレースで、トップ10に二人いれたクイックステップとアンテルマルシェはチームとしての強さを存分に見せつけた。
ゴール前のスプリントは、カヴェンディッシュをリードアウトしたモルコフがとにかく素晴らしかった。直線に入ってからのコース取り、他を寄せ付けない力強い牽引、最後に自らゴールするまでライバルたちを牽制する、お手本のようなリードアウト。しかも自ら7位に入った。直前まで体調を崩していたカヴもそれに応える力強さを見せ、今季絶好調のヤコブセンとのツール出場を巡る競争はまだ直前までわからない。
チームメイトたちとハグするカヴ。昨年のツールを思い出すシーン。
◎予想結果:優勝候補
【予想文面】→ 本命はコーヴィ(期待値込めて)。対抗がクリストフとモスケッティ。クラシック巧者のファンアーヴェルマート、ベッティオールも優勝争いができるだろう。若手のグローヴス、ダイネーゼ、ガルシアも優勝に絡むかもしれない。カヴェンディッシュとスウィフトは実績で言えば有力候補だが調子を落としているのが気になるところ。アンテルマルシェはクリストフでなくギルマイで勝負する可能性も十分ある。サガンも本調子とはいえないがそれでもトップ10に絡んでくる実力はあり。・・・他の上位候補は下記表を参照。
【結果】→ 優勝はカヴェンディッシュ。2位ブアニ、3位クリストフ。トップ10のうち5人は予想したが、精度としてはいまいちな予想であった。なんだかんだ5位に入ったサガンも調子を上げてきている。ギルマイも今年は大きな勝利を手にする期待感のある走りだった。一方、コーヴィ、モスケッティ、グローブスはまだムラがあり、更なる成長が待たれる。有力なスプリンターがゴールになだれ込む展開になると、ファンアールトやベッティオールにはチャンスはなかった。
◎その他の注目選手の結果と雑感
【予想文面】→ この中では、アインホルン、カンターは注目している若手スプリンター。コスヌフロワ、スヘリンフ、ウリッシあたりは終盤にアタックし逃げ切ることもありそう。アルケアとトタルエナジーズはプロチームとして今季非常に調子がいいので、ワールドチームがあまり揃っていないレースでは結果を出したいところ。
【予想文面】→ 注目していたアインホルンとカンターは好成績。モビスターが集団スプリント慣れしてくればカンターにとって、よい結果につながる移籍になりそうだ。アインホルンもイスラエルチームの地元選手として看板選手を目指すような成長を期待する。コスヌフロワも得意ではないコースへの適性も見せたのは好材料。アルケア(ブアニ)とトタルエナジーズ(サガン)は好調を継続している。プロチームの中ではフィオレッリとグロスもトップ10までもう一歩というところ。十分健闘したといえる。
なお、いろんな情報サイトで「ミラノ〜サンレモの前哨戦としてスプリンターたちが脚を試す」みたいな言い方をしているが、8割違う選手が走る。
もっとも古いワンデーレース。イタリアも春の訪れを待つ季節。