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E3サクソバンク・クラシック 2022【リザルト】

 

325日に開催された【E3サクソバンク・クラシック】。やはり石畳で落車やメカトラが起きる中、終盤にかけて先頭グループは少しづつ人数を減らしていく。そんな中、レースをチームで支配したのはユンボだった。残り40kmから飛び出したファンアールトとラポルトがそのまま二人でゴール。最後まで後続グループに差を広げ続けた圧勝だった。

*表内の選手のUCI世界ランクと年齢は2021年12月時点。

 

◆2022年のレースの模様はこちら(シクロワイヤードの記事)。

 

 

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新生ユンボ・クラシック班のひとつの理想形。ファンアールトとラポルトが肩を組んでゴール。

 

 

◎レース結果:トップ10

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◎予想結果:優勝候補

【予想文面】→ 本命はファンアールトラポルトはじめ盤石のアシストも心強く、優勝候補筆頭は間違いないが、昨年から往々にしてありがちなファンアールト包囲網とでも呼ぶべきな牽制合戦が繰り広げられ、隙をついた他の選手が勝つ事がしばしば。強過ぎるのも困ったことである。対抗は好調を維持しているピーダスンストゥイヴェンとどちらが勝負にいってもおかしくないが、スプリント力でいけばピーダスンがファンアールトを倒せる可能性は十分ある。スティバルはこのレースとの相性が非常によい。シクロクロス出身だけあって石畳の登坂技術に優れているのだろうか。他の上位入賞候補たちは、キュングスグリーンポリッツの重量級で独走力のある選手たちと、アランブルヴァルグレンのアタッカーたちファンアーヴェルマートナーセンファンマルクファンバーレもトップ10には絡める。トタルサガンにそろそろ調子を取り戻してほしいが、サンレモで2位に入ったテュルジスが非常に好調だ。アンテルマルシェはクリストフがエースだが、未知数ながらポテンシャルを感じるギルマイが面白い存在。チームでは複数の選手がエースになりうるクイックステップユンボトレックAG2Rが中心になるだろう。ただし、クイックステップは直前になりランパールトとホノレの二人が欠場に。重要なピースが二人欠けるのは苦しいところ。アンテルマルシェEFも侮れない。他の上位候補は下記表を参照。

【結果】→ 優勝はファンアールト。しかし勝ち方は想像以上に圧勝。ラポルトベノートのアシストはこの上なく効いていた。ライバルが付け入る隙が1ミリもなかった。予想した選手ではキュングギルマイファンバーレスグリーンがトップ10入り。それにしてもギルマイは想像以上に石畳への対応していた。アフリカ人初のクラシック優勝ももう遠い先ではない気がしている。テュルジスストゥイヴェンも持ち味を発揮し上位に絡んだ。それにしてもサガンは調子が上がってこない。もう一花咲かせるはずだと信じている。

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3位争いは小集団のスプリントになりキュングが制した。モホリッチやギルマイらも及ばず。

 

 

 

◎その他の注目選手の結果と雑感

【予想文面】→ 優勝候補は人数を絞ったため入れなかったが、展開によってはエースになりそうな選手(一部はこっちが本命)を数人ピックアップするとハラーレハールファンデンベルフマドゥアスヴィヴィアーニクリストフファンアスブロックガルシアキルシュあたりか。カンペナールツデゲンコルプの実績十分のベテラン陣も上位を狙いたいところだが、今シーズンはあまり調子は良さそうには見えない。今季好調のテイラーハルヴォールスンのウーノエクスコンビも有力候補。

【結果】→ とにかくラポルトベノートのアシストが効いていた。2位と9位に入ったこの二人以外にもテウニッセンが12位、ホーイドンクが19位とトップ20に5人もユンボが送り込んだ。終盤までの隊列を組んでの牽引、アタックつぶし、追走グループでのフタ役、ゴールまでのファンアールトのサポートと完璧なレース運び。これは例年ならクイックステップがやるパターンだが、デクレルクはじめ怪我人や病人が多く、ウルフパックは今季のクラシックでは機能していない。ロンドまでこの流れは続きそうだ。キュングを追走グループで支えて自らも7位に入ったマデュアスはやはりクラシックレースに強い。ウーノエクスのテイラーも安定して上位に絡んでいる。

ブログを書いた後で走る選手が数人変更になり、その中の注目選手も別枠で追記した。モホリッチは得意なレースではない中、4位とサンレモの好調を維持、ファンバーレとともに追走グループで奮起したナルバエス6位も立派。それにしても今季はDNSもDNFも多い。この傾向はしばらく続きそうだ。そんな中、新城幸也はしっかり仕事をして完走。参考までに彼は現在99レース連続で完走中。1000人を超える全選手の中で19番目に多いレース数だ。2020年9月からリタイアをしていない。この信頼感がチームを支えている。

 

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地元ベルギーでの大声援を受けて走るベルギーチャンピオンジャージのファンアールト。TT世界王者クラスの独走にしっかりついていったラポルトも褒めるべき。

 

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追走グループ内でもベノートが蓋の役割をし、逃げた二人を援護。完璧なチームサポート。

 

 

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