ラ・フレッシュ・ワロンヌ 2022【リザルト】
4月20日に開催された【ラ・フレッシュ・ワロンヌ】。勝負を決したのは、やはりゴール前の激坂『ユイの壁』(ユイの壁だけ走ればいいとか言わないでください笑) アラフィリップとバルベルデを下したのはポガチャルではなく、新たな「激坂王」ディラン・トゥーンスだった。
*表内の選手のUCI世界ランクと年齢は2021年12月時点。
◆2022年のレースの模様はこちら(シクロワイヤードの記事)。
優勝したディラン・トゥーンス。クラシック初優勝。
◎レース結果:トップ10
3回「ユイの壁」を登るレースは、1度目の登坂で優勝候補とも目されていたピドコックが早々に脱落。各チームのサブエース級の選手たちが細かいアタックを繰り返す中、最後のユイの壁の前に逃げていた選手は全てメイン集団に吸収、残り1kmがクライマーたちの力比べになった。マスがバルベルデを引き連れて登坂を開始、ポガチャルを含む有力選手はここで脱落していく。最後までついていったウラソフが遅れると、ゴール前はトゥーンスとバルベルデの一騎打ちに。最後の最後で力尽き、トゥーンスに置いて行かれバルベルデだったが、プロトン最年長選手の偉大さには大きな敬意を払いたい。誇るべき2位である。
「ユイの壁」はトゥーンスとバルベルデの一騎打ちに。バルベルデは過去最速の登坂も及ばず。
◎予想結果:優勝候補
【予想文面】→ 本命はやはりアラフィリップか。絶好調とはいえない様子が気がかりだが、このレースとの相性、勝ち方を知っているのは大きな強味。対抗はポガチャルはあげておかないと。過去は9位とDNS(昨年はチーム内にコロナ感染者が出て欠場)だが、彼が優勝しても全く驚かない。他にも有力選手が目白押し。クラシック絶好調のイネオスはダニエル・マルティネスとピドコック。激坂の相性はダニマル、ワンデーははまればピドコック。ユンボはヴィンゲゴーとベノート。どちらも優勝するイメージはあまりわかないが上位にはきっちり入ってきそう。バーレーンはカルーゾを候補にしたが、全員入賞してもおかしくない実力者揃い。好調をキープしているコスヌフロワ、バルギルは優勝も狙える勢いはある。ヒルシ、ウッズ、モレマ、マシューズ、イギータ、ウラソフにもチャンスがあるだろう。ヒルシは一昨年の優勝者、モレマは過去に5回トップ10に入っていて相性も良い。最後に、バルベルデを推す。昨年も3位に入っており、今季で引退する41歳(5日後に42歳)にはまだまだ力はあるはず。激アツの走りを期待してやまない。怪我で出場回避したログリッチが少し心配。他にも調子を崩している選手が多く、彼らの早期回復を願う。他の上位候補は下記表を参照。
【結果】→ 2位バルベルデ、3位ウラソフ、以下アラフィリップ、ダニエル・マルティネス、ウッズ、バルギルまでトップ10中6人は予想。ウラソフとダニエル・マルティネスは安定して上位に絡む活躍を見せていて、グランツールでも本命に推したい。トラブルがなければ今年はキャリアハイの成績をあげるだろう。多くのエース級の選手が揃ったバーレーンはエースを見誤った。ピドコックとヴィンゲゴーは早々の離脱は痛かった。ヒルシも含めて成績の浮き沈みがあり、予想をつけにくい選手。ウッズは調子を上げてきた。チームとして低空飛行しているイスラエルにあって数少ない活躍を見込める選手。頑張って欲しい。
9度目の表彰台に上がったバルベルデ。
最後まで優勝争いに加わったアラフィリップとポガチャルだったが、ユイの壁で力尽きる。
◎その他の注目選手の結果と雑感
【予想文面】→ バーレーンはカルーゾ以外のメンバーのヘイグ、マーダー、プールスと誰もが上位を狙える(表に入れなかったがトゥーンス、サンチェスとアシストも強力)。ポーレス、パシェ、ロータ、ラトゥールも実力者。レムコはユイの壁はさすがにきつそう、アラフィリップのサポートに回ると思われる。ビッグネームでは、ニバリ、ウラン、Gトーマス、フルサン、ウェレンス、ウリッシ。マスはバルベルデのサポートだろうか。彼らは優勝を狙うのは難しいと思われる。
若手ではカルロス・ロドリゲス、アユソ、ヨハンネセン、アレオッティに注目。なかでもアユソはポガチャルやヒルシの裏で動くかもしれない。何より爆発的な登坂能力は侮れない。参考までにウリッシ、クフィアトコフスキは過去4回トップ10に入っている。
【結果】→ 優勝は「表に入れなかったが…」と表記していたトゥーンス。やああ、勉強不足です。他にも7位ゲレーロ、8位モラール、10位ビヤモズと、多くの選手をしっかりチェックできてないのは反省点。ポーレス、パシェ、ヨハンネセンは好成績だった。カルロド、アユソ、アレオッティの若手はまだ経験不足か。そんな中、最終成績は64位だったものの最終盤までアタックして印象的な走りをしたファンセヴェナントは楽しみな存在。
1回目のユイの壁を登っていくプロトン。大勢の観客も戻ってきた。