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イル・ロンバルディア 2022|リザルト

 

(これが最後のこっそりアップ)

10月8日に開催されたイル・ロンバルディア。多くのビッグネームたちが出場した今年最後の大舞台は、レジェンドの二人バルベルデとニバリの現役最後のレースにもなり、「落ち葉のクラシック」らしい華やかさと寂寥感が漂うレースになった。終盤UAEがチームでコントロールし、本命のポガチャルが見事に2連覇を達成した。

*表内の選手のUCI世界ランクと年齢は2021年12月時点。

 

 

 

 

◎レース結果:トップ10

序盤から10人が逃げ、メイン集団は5分程度のタイム差で追いかける展開に。中盤のダウンヒルでは落車が発生し、引退レースとなるニエベが骨折リタイア。その後はイネオスユンボがメイン集団をコントロールし、残り70kmを残して早くも逃げグループを吸収すると、今後はUAEが主導権を握る。アルメイダの強力な牽引で集団を絞り込みながら、サイクリストの聖地キザッロ教会を通過。その牽引によってアラフィリップニバリら有力選手も次々に脱落していく。終盤の急坂チヴィリオでフォルモロがハイペースで牽くと集団はバラバラになってしまう。さらに勾配が急になる山頂付近で、満を持してポガチャルが強烈なアタック。ついていけたのはマスだけ。その後ランダが何度か追いついたり離れたりを繰り返したが、ゴールスプリントでは分が悪いマスが勝負をかけて残り5kmでアタックすると、ランダはついていけない。イギータAイエーツバルベルデらが追走グループを形成するが、ポガチャルとマスとの差は縮まらない。そのままゴールスプリントに持ち込んだポガチャルが先頭でゴールし、モニュメントを勝利した。

 

 

◎予想結果:優勝候補

【予想文面】→ 本命ポガチャル。直近のレースでも強さを見せ、連覇に向けて意気込みは荒い。アシストもエース格といえる選手を揃えて盤石といっていい状態。対抗は直近のレースで調子をあげてきたモホリッチ。ゴール前に下り坂のあるコースはその前の参照まで戦闘グループに残っていれば彼が勝つ可能性は一番高いだろう。もう一人挙げるならばマス。調子をあげているポガチャルをゴール前でちぎって優勝した一週間前のジロ・デ・エッミリアは衝撃的だったヴィンゲゴーアレンスマングランツールで大活躍した実力者だが、ワンデーレースを勝ちきれるかというとやや疑問。引退前の最後のレースに臨むニバリバルベルデも注目。バルベルデは直近のレースでトップ10いないに入り続けて調子を上げているし、ニバリもロンバルディアは走るだけじゃなく結果も求めていると公言している。何よりイタリアのレースは相性もよくモチベーションも高いだろう。二人のレジェンドは記念レースで終えるつもりはなさそうだ。

個人的には何か波乱が起きそうな気がしている。イギータロータ、あるいはこの優勝候補に上げていない選手が勝利をさらっていきそうな、予想外の選手が勝ちそうな予感もある。世界選手権で活躍した選手の顔ぶれが、そう感じさせる。他の候補は下記表を参照。

【結果】→ 本命視していた二人のマッチスプリントになり、トップ10のうち7人の予想はまずまずといったところ。エンリク・マスは本当に強くなった。ポガチャルと互角の走りを披露したシーズン終盤の走りはトップクラスのライダーであることを証明しただけでなく、ブエルタで見せた攻撃的な姿勢は今まではあまり見られなかったもので、マスの成長や勝ち切る力強さを感じさせて好印象。モホリッチアレンスマンはあまりいい状態ではなかった。二人とも好不調の差が大きいのは今後の課題か。今期ほぼ安定して上位に入ったイギータの強さは特筆もの。イネオスでの最後のレースとなったAイエーツの10位とCロドリゲスの5位はチームでのエース交代を象徴しているよう。バルベルデモレマのベテランの二人のトップ10入りも喜ばしい。というか、何度もいうのが心苦しいが、この走りを見せて現役生活にピリオドを打つバルベルデ、改めてその凄さに最大限のリスペクトを。そんなバルベルデに対して目の前で成長を見せつけたマスの今後にも期待を。トップ10にスペイン人選手が4人(バルベルデ、マス、ランダ、Cロドリゲス)も入ったのも、スペインのエースとしてバルベルデの後継者争いをを感じさせて興味深い。

 

 

◎その他の注目選手の結果と雑感

【予想文面】→ ビッグネームが多く、上記優勝候補に挙げた以外にも実力者たちが揃っている。ランダウラソフウッズあたりは調子がよければ展開によっては優勝もありえる。バルデアラフィリップも実力者だが、少し調子を落としている印象。ポウレスシヴァコフヴァインは調子が良さそうで上位に絡むかも。

若手注目株では、EFのピッコロ、トレックのスケルモース、アルケアのヴォークランはブレイクの兆しがある楽しみな存在。うまくはまればトップ10も狙えるかも。

【結果】→ 注目選手で名前を挙げていた中では、ランダは表彰台、バルデも9位と、直近のレースでの好調さをキープした見事な走り。期待していた若手ではピッコロの11位は素晴らしい。このビッグレースでの結果はもう本物だと断言していいだろう。ウラソフダニマルチッコーネあたりも、らしさは十分感じさせた。余談だが、マルタンポーレスピッコロウェレンスチッコーネはこの2週間後ジャパンカップで来日し、宇都宮を走る。