「推し」について、うだうだ語る。
今回はいつものロードレースにまつわる情報ではなくて、ロードレースにおける、僕の「推し」について、話してみようと思う。
あ、その前にいきなり脱線するが、
さて、戯言はともかく、「推し」について、である。
ロードレースについては、基本的にほぼすべての選手とチームに対して僕は何かしらのリスペクトを持っている。こんな過酷な競技に、時に文字通り「命を懸けて」いる男たちには敬意しかない。もちろん、男というのは言葉の綾で女もリスペクトしてる。それでも、あえて、一人だけ好きな選手をあげろと言われたら、迷わずに
「ファビオ・ヤコブセン」と答える。
ショックだった。
その後のニュースを追って知ったこと。彼は三日間の昏睡状態から無事に意識を取り戻し、
今後ロードレースを見続ける限り、僕はこのレースのときに味わった気持ちは忘れないと思う。翌日はウルフパックの悩めるエース、カヴェンディッシュが3年ぶりの勝利でヤコブセンを祝福。ハグする二人を見てカヴも大好きになった。カヴはその後3連勝し、しばらく続いていた不振を払拭するような活躍を見せたのは、ヤコブセンと一緒に走った経験がきっかけになったのは間違いないはずだ。チームではスプリントのエースを争う二人はなかなか一緒に走ることはなかったけど、特別な友情で結ばれているように感じるし、ツールでステージ優勝した後の二人の会話でもらい泣きしちゃった。
ヤコブセン、ありがとう。
それからのヤコブセンの活躍は、ロードレースファンなら知ってるだろう。彼は「悲劇の人」から「奇跡の人」になった。ターキーの3ヶ月後、ツール・ド・ワロニーで復帰後初勝利をあげ(その時の笑顔の写真はスマホの待ち受けにした)、さらにそのひと月後にはブエルタで大暴れしポイント賞をとり(今の待ち受け画面はこれ)、今年はツール・ド・フランスのステージ優勝を含む12勝をあげ、欧州選手権の王者になった。まだ26歳の若者の前途は、徹夜明けに見る太陽くらい眩しい。彼の復活劇は、彼自身と家族とチームと、もっと云えばロードレース界とフルーネウェーヘンにも少なくない幸せをもたらしたのだ。
ヤコブセンの走る姿は美しい。
彼のフェアでクリーンなスプリントが好きだ。
自信に溢れてるように見えるのは、悟りの境地に至ったのか。
どうしてあの時、彼の事故にそこまで心が揺れたのか。しばらくして気づいたことだけど、
ブログをはじめてもうすぐ一年、ロードレースの中の僕の「推し」を書いてみた。
読んでくれた皆さん、ありがとう。
そんなこんなで、今年もお世話になりました。
来年も、どうぞよしなに。
2022.12.30 jam ride
*少しだけ補足
もし、ヤコブセンのことをあまり知らなくて興味を持った方がいたら、ちょっと覗いてみてください。
◎事故後のインタビュー
◎復帰レースになったツアー・オブ・ターキーの記事
◎ツールを勝利したカヴを祝福するヤコブセン
"Na alles wat hij heeft meegemaakt, is winnen het minste dat wij kunnen doen."@MarkCavendish houdt het niet droog na een speciale boodschap van @FabioJakobsen 🤗❤️
— NOS Sport (@NOSsport) 2021年6月29日
Het hele interview na Zweden - Oekraïne in de #Avondetappe op NPO1 en https://t.co/SdNmnR2ZCr pic.twitter.com/Gmo5QZKM1U
◎プロポーズしたヤコブセン
FOTO: Fabio Jakobsen vraagt zijn vriendin ten huwelijkhttps://t.co/IXp4iri2HS pic.twitter.com/bDjX576FC0
— Sporza 🚴 (@sporza_koers) 2021年3月17日