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UAEツアー 2023|出場選手まとめ

 

まず、記事が遅くなったのは出場選手が発表されないからです(汗) 日本時間から見たら当日発表状態はキツい。今年もこんなかんじでレース前ギリギリになるんだろうなあ。ヨーロッパからはチームは遠征になるんだから数日前にはメンバー決まってるはずだよね?

と、愚痴はさておき、2月20日から開催される【UAEツアー】の情報を簡単にまとめました。全7ステージで、中東で唯一のワールドツアーでもあり、地元であるUAEチーム エミレーツがツールの次に重要視するレース。今回がまだ5回目という出来たばかりの大会だが、過去2年間はポガチャルが制し、王族たちもご機嫌であった。また平坦ステージが4つもあるため、エーススプリンターを揃えてくるチームが多いことも特徴で、今シーズンのスプリンターの勢力図を占うことになる。昨年はフィリプセンが2勝しポイント賞を獲得、そのまま昨年のナンバーワンスプリンターになったといっても過言ではない。個人的にはオラフ・コーイが見せたパフォーマンスは印象深かった。

なおワールドチームからはコフィディスアルケアは不参加、プロチームからはロットイスラエルバルディアーニに加え、今季からプロチームに格上げされたチューダー・プロサイクリングチーム(初ワールドツアー)が参加、計20チームで競われる。

それにしても、毎回選手リスト発表がこんなにギリギリだと、ビッグレース目白押しの3月はちょっとしんどいかも・・・。

*優勝候補及び有力スプリンターは10人まで(本命は3人)、それ以外の有力選手は30人まで絞っている。*選手が変更の可能性あり。表内の選手のUCIランクと年齢は2022年12月末時点。

 

 

 

 

◎ステージプロフィール

◆Stage1(2月20日平坦):Al Dhafra Castle  >  Al Mirfa

 距離151km|獲得標高518m

ほとんど起伏のない平坦なコース。集団スプリントによる決着の可能性大。各チームのエーススプリンターとリードアウトの仕上がり具合をチェックしておきたい。

 

 

◆Stage2(2月21日TTT):Khalifa Port  >  Khalifa Port

 距離17.2km|獲得標高5m

チームTTは海沿いのまっ平らのコース。距離は長くないが総合争いに影響のありそうなステージ。往復するので風対策も。有力チームは、UAEクイックステップイネオスが3強か。次いでバーレーンEFあたり。グルパマイスラエルアンテルマルシェもメンバーは良さそう。TT強者揃いのユンボは今回のメンバーは優勝候補ではないと思われる。

 

 

◆Stage3(2月22日山岳):Umbrella Beach Al Fujairah  >  Jebel Jais

 距離185km|獲得標高2741m

獲得標高が一番多く、登りフィニッシュのジェベル・ジャイスは標高1500m近くに達するクイーンステージ。毎回総合争いが繰り広げられる。激坂ではないので優勝争いを決定づけはしないが、脱落する選手は間違いなく現れる。

 

 

◆Stage4(2月23日平坦):Al Shindagha  >  Dubai Harbour

 距離174km|獲得標高304m

ここから平坦ステージが3つ続く。砂漠特有の風は注意が必要だが、それさえ凌げば集団スプリントによる決着が濃厚。この段階でリーダージャージの可能性が高いクイックステップやUAEが集団コントロールを任されるとするとメルリールモラーノには注目しておきたい。

 

 

◆Stage5(2月24日平坦):Al Marjan Island  >  Umm al Quwain

 距離182km|獲得標高522m

 

 

◆Stage6(2月25日平坦):Warner Bros. World Abu Dhabi  >  Abu Dhabi Breakwater

 距離166km|獲得標高146m

 

 

◆Stage7(2月26日平坦・山頂フィニッシュ):Hazza Bin Zayed Stadium  >  Jebel Hafeet

 距離153km|獲得標高1378m

総合優勝争いの最終決戦。最後に登るジェベル・ハフィートもおなじみの山頂。およそ10kmを登る坂は平均斜度7%近くあり、総合順位をひっくり返す可能性も十分。ここまでのステージでタイム差が開いてなければ最後まで目が離せない展開を期待できるだろう。

 

 

◎総合優勝候補

過去2大会を制したポガチャルの代わりにUAEはアダム・イエーツをエースに据える。その2大会を総合2位で、その前は優勝しているので相性もよくコースを知り尽くしているのも強み。対抗馬筆頭はレムコ・エヴェネプールになるだろう。まだ仕上がっていないかんじはするが、チームTTも彼には追い風であり、stage2での両者の戦いぶりはその後の総合優勝を狙うライバルたちにも大きく影響しそうだ。

もう一人優勝候補をあげるならば、ペリョ・ビルバオ。ツアーダウンアンダーの総合3位、バレンシアナ総合4位と、かなりの仕上がりぶり。バーレーンのメンバーも強力であり、優勝争いに絡むのは確実と思っている。その他では、個人的イチオシはエイネル・アウグスト・ルビオ。近年、確実に力をつけており、登坂力ではこのメンバーでトップクラスかもしれない。オサンフアンでは総合4位につけ(レムコより上位)調子も良さそう。TTは苦手なのはややマイナスか。実績ではアレクセイ・ルツェンコルイ・メインチェスは上位に入るが、今年ここまではまだ仕上がってない印象で、ツツェンコに関してはグランツールで総合は狙わないという発言もあり、ステージ総合は少ししんどい様子も感じる。アンドレアス・レックネスンは今季初レース。このメンバーでは一番成長度合いは激しく、昨年のアレンスマンのように化けそうな気配もあり、注目したい。オマーン総合3位だったジョフレ・ブシャールも好調。イネオスはベン・トゥレット(ルーク・プラップとどっちがエースかわからない)は登坂力に磨きをかけている。個人的に注目したい選手は、ユンボのトーマス・グローグ。ユンボでの初レースとなったバレンシアナでは堂々総合6位に入る。チームにはセップ・クスがいるのだが、ユンボはグローグにヴィンゲゴーの次世代のエースとしての英才教育を施していると想像している。他の上位候補は下記表を参照。

 

◎スプリンター

各チームからハイレベルで豪華なエース級スプリンターたちが揃った。迫力あるスプリント合戦が繰り広げられるだろう。また今年は全体に選手の仕上がりも早く、メルリールサム・ベネットフルーネウェーヘンガビリアバウハウスウェルズフォードマライン・ファンデンベルフは今季既に勝利をあげている。この中ではデマールは今季初レース。表では上位10人とその他に分けてみたがそれほど力の差はなく、順位は展開に左右されると思われる。トップクラスの実績がある中では、ユアンカヴェンディッシュヴィヴィアーニは全盛期より少し力が落ちている印象があるが、調子があがれば勝負できるはず。個人的な注目選手は昨年12勝し、この世代のトップスプリンターの一人となったオラフ・コーイがこの豪華メンバーでどの程度の勝負ができるのか。またオサンフアンで2つのステージを勝ったサム・ウェルズフォードは一気に飛躍の気配。また未知数ながら気になる存在はジェンセン・プラウライト。アルペシンでスプリントエースを託されるなら只者のはずがない。

 

 

◎その他の注目選手

この中で総合争いに加わる可能性がありそうなのは、星を二つつけている。中でもダウンアンダーを総合優勝したジェイ・ヴァイン、総合5位に入ったマウロ・シュミット、総合8位に入ったアントニオ・ティベーリは好調そうであり、上記総合優勝候補にあげるか迷った。アシストに徹するのかWエースになるのか、チームの戦略によって成績は変わってくるだろう。またセップ・クスルーク・プラップレイン・タラマエはサブエースとして予想しているが、展開によってはエースの役割を担うかもしれない。ブッフマンフルサンは実績では総合上位に値する選手だが、昨年から少し精彩を欠いている印象。調子がよければ上位はありえる。

 

 

◎過去の総合成績(2022年、2021年、2020年)

参考までに過去3年間の総合成績10位までと各賞(ヤングライダー/ポイント賞)を入れておく。山岳賞はない。所属チームは今季との比較も。個人でトップ10に複数回入っているのは、ポガチャルAイエーツが3回、アルメイダマイカが2回。チーム別で好成績なのは、UAEチームエミレーツが7人と圧倒している。過去にトップ10に入った選手のうち延べ12人も現在UAEに所属している。これは、この大会で好成績をおさめた選手はUAEに目をつけられると思っているのだが、どうだろうか。

出場選手で過去の優勝経験者はAイエーツ(2020年)のみ。

 

 

 

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