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UAEツアー 2023|リザルト

 

2月20日から26日まで開催されたUAEツアー】は豪華なメンバーのスプリンターたちと、最終日に総合順位が大きく変わるドラマチックなレースが繰り広げられた。

*レースリザルトの記事は《総合成績トップ10とステージ優勝者/自分の予想への評価(ざっくり)/雑感=レース中の出来事や気づいたこと・今後注目したい選手など》を、好き勝手に語る雑談となる模様。*表内の選手のUCI世界ランクと年齢は2022年12月末時点。

 

 

 

 

◎レース結果:総合トップ10

総合優勝は大方の予想とおりレムコ・エヴェネプール。得意のTTはもちろん、中間スプルントでも果敢にポイントを取りにいくなど、危なげない盤石の走りで今季も好成績を残しそう。2位はオーストラリアチャンピオンのルーク・プラップ。登りは苦手ではないが、大柄でTT寄りの選手にしては非常に健闘したといえる。

3位は優勝候補の一人であったAイェーツ。初日から遅れてしまったものの、最終日で順位を大きくジャンプアップし、わずか3秒差で表彰台に潜り込んだ。チーム移籍後の最初のレースでプレッシャーもあったと思うが、UAEチームにとって重要な母国レースで最低限の成績は残したといえそうだ。4位はビルバオ。惜しくも表彰台は逃したが、ビルバオはシーズン序盤から非常に精力的に結果を出している。ダウンアンダー総合3位、バレンシアナ総合4位、UAEツアー総合4位と、今シーズン獲得したUCIポイントは堂々1位である。5位になったクスは最終ステージの登坂でもさすがのクライマーぶりを発揮。6位プールス。7位ティベーリ。8位ツィーホフ。9位ブッフマン。10位ファンハウケバーレーンボーラがトップ10に二人送り込んだ。

 

 

◎ステージ優勝者

◆Stage1:2月20日/平坦

優勝:メルリール/2位:ユアン/3位:カヴェンディッシュ

強風が吹きつける砂漠で分断が起こり、初日から波乱の展開に。先頭グループに残ったスプリンターによるスプリント勝負は写真判定メルリールに。ユアンは惜しくも敗れたが、この後に期待を残す走り。サム・ベネットは追走グループでトップでゴール。Dファンポッペルのリードアウトも好調そう。総合リーダーはメルリールだが、総合争いは実質、先頭グループに残ったレムコビルバオプラップに絞られた状態に。

 

◆Stage2:2月21日/チームTT

優勝:クイックステップ/2位:EFエデュケーション/3位:イネオス

EFは大健闘したが、わずか1秒差で最終出走のクイックステップに逆転される。クイックステップはアシストを使い切ってレムコが鬼のように牽引する気合が他のチームを上回った。なおレムコは最高速度70lm/hを超えていたという。恐ろしい…。

 

◆Stage3:2月22日山岳

優勝:ルビオ/2位:エヴェネプール/3位:Aイェーツ

今大会のクイーンステージでは総合争いが繰り広げられた。ルビオが登坂で単独アタックし、そのまま逃げ切りステージ優勝。自ら誕生日祝う初勝利になった。2位争いはレムコが後続に秒差をつける貫禄で、リーダージャージを奪うことに成功。

 

◆Stage4:2月23日平坦

優勝:モラノ/2位:コーイ/3位:ウェルスフォード

ゴール前は集団スプリントになったが、各チームが入り乱れる混沌とした終盤に。三人が横並びでゴールする僅差の勝負は写真判定で、優勝したのはモラノUAEチームの意地を見せた。総合順位はほぼ変わらず。

 

◆Stage5:2月24日平坦

優勝:フルーネウェーヘン/2位:ガビリア/3位:サム・ベネット

途中横風で数チームが分断されるなど荒れた展開も最後はひと塊りになり集団スプリントに。伸びて先着したのはフルーネウェーヘン。総合順位はほぼ変わらず。

 

Stage6:2月25日平坦

優勝:メルリール/2位:サム・ベネット/3位:フルーネウェーヘン

集団スプリントはメルリールが勝利でステージ2勝目で、ポイント賞ジャージもほぼ確定。総合順位はほぼ変わらず。クイックステップがステージ3勝目。

 

◆Stage7:2月26日平坦・山頂フィニッシュ

優勝:Aイェーツ/2位:エヴェネプール/3位:ブシャール

総合優勝争いの最終決戦。最後に登るジェベル・ハフィートでAイェーツが意地のステージ優勝。総合でも逆転で表彰台に。1位レムコと2位プラップ以外はトップ10の全員の順位が変わる荒れた最終ステージになった。

 

 

◎予想結果:総合優勝候補ほか

すみません、、、総合トップ10予想は3人しか当たらず。その他注目選手から6人だった。星を付けているのが4人、と彼らは最後までトップ10予想に入れるか悩んだ選手であり、エースを読み間違う傾向が強い。特にイネオスは毎回間違ってしまう。反省が活かされていない。ただしレックネスンルビオstage6を終了時にはトップ10に入っていたので、最終日の不調さえなければ、というかんじ。ブシャールstage6の失速がなければ、最終日は3位に入る成績だったり、グローグも最終日に遅れずにクスについていければ十分トップ10圏内の力を感じさせた。ということで、予想の傾向はそれほど悪くはなかった、がツメが甘い。

 

 

◎予想結果:スプリンター

*表のリザルトはポイント賞の順位。

メルリールが2勝、モラノフルーネウェーヘンも1勝と、ここまでは好成績。サム・ベネットユアンガビリアも2位に入るなど、それなりの走りは見せたし、コーイウェルスフォードも十分強さは感じさせてくれた。勝利した選手と勝てなかった選手の差はリードアウトトレインの差であったように思う。トップ10以外で名前をあげたスプリンターにもそれはいえるし、わりと順当な予想だったと思ってる。デマールがよくなかった。昨年までリードアウトを務めたシンケルダムの移籍はかなり痛手かもしれない。カヴとガビリアもトレインが強化されないとなかなか厳しい。

 

 

◎その他雑感

チームとしてはクイックステップが文句なしに支配した結果に。レムコの総合優勝、メルリールのステージ2勝とポイント賞、チームTTでもステージ優勝。UAEチームエミレーツは初日につまづいたが、Aイェーツモラノによるステージ2勝と総合3位、チーム総合でも優勝と、なんとか最悪の結果はまぬがれた。期待されていたジェイ・ヴァインは膝の怪我により途中棄権になったのは残念。

 

 

◎プレビュー記事はこちら

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