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アムステルゴールドレース 2023|出場選手まとめ

 

4月10日にオランダで開催される57回目の【アムステルゴールドレース】。アルデンヌ・クラシック3連戦の始まりである。北のクラシックレースは石畳を得意とする大柄なルーラーやスプリンターが活躍してきたが、ここからは起伏が多く登坂能力の高いパンチャーやクライマーが活躍するレースになる。初参戦するポガチャルはじめ注目選手が目白押しだ。

*優勝候補は10人(本命は3人)、その他有力選手は30人までを目安にしています。*情報は4月1日現在。出場選手は変更の可能性あり。表内の選手のUCI世界ランクと年齢は2022年12月末時点。

 

 

 

 

◎レース概要

走行距離は253.6kmで、大きな山はないがジェットコースターのように起伏があるため獲得標高は3290mに及び、消耗度の激しい脚の削りあいになる。市街地を周回したり狭い農道があったり、コーナーやカーブも多く常に慌ただしい展開になるレース。例年勝負所になる場所はゴール前20km地点にあるカウベルフという坂。ここで抜け出す選手がゴール前になだれ込む展開が多い。また写真判定による僅差の勝負が続いており(2022年はクフィアトコフスキとコスヌフロワ、2021年はファンアールトとピドコック)ゴール前は激しくなる好レースになることが多い。

オランダで開催される唯一のワールドツアーのため、観客の熱狂もかなりのもの。なおアムステルゴールドとはオランダのビールなので、優勝者はいつも表彰台でビールで祝うのも微笑ましい恒例行事。

 

◎優勝候補

優勝候補に絞るのがすごく難しい。かなりの選手に優勝のチャンスがあると考えている。力の差はあまりなく、調子の良さと展開に上手に対応する選手が勝利するとみている(そういう言い方すると大概のレースはそうなのだが)。軸になるのはポガチャルで、ロンドで見せたような走りをされたら独走で勝つこともありえそうだが、あの石畳ほどの差が出る勝負ポイントはないので、ポガチャルのアタックについていく選手はそれなりにいると思う。上の表にあげた10人は最終盤に残る可能性が高い選手たち。

実績では、コスブフロワモホリッチマドゥアスピドコックベノートは表彰台に絡む資格はじゅうぶんあり、多くの方が優勝候補にあげるだろう。個人的に期待値が高いのはスケルモースクロン。最終盤に残れればスプリント力もある。ここ1-2週間のレースで好調なのはイギータパウレスルツェンコヒーリー。ただしルツェンコとヒーリーは直近のレースで他を圧倒する強さを見せたが、出場選手はこのレベルよりも落ちるレースだったので、そのまま鵜呑みにはできない。昨年王者のクフィアトコスフキ、今季好調が続いているルイ・コスタ、チームが好調のアルペシンで今年はじめてエーエウを任されるクラーウアナスン、スプリント力もあるアランブルバジオーリたちも上位に入る力はじゅうぶん。目移りしまくりである。

この中からあえて勝ちそうな選手を予想すると昨年写真判定で敗れたコスブフロワは好相性のレースであり、直近のレースでも調子を上げているので、彼のアタックには最大の警戒が必要。パウレスは今年一皮むけた。どんな展開でもくらいつくタフさは現在トップレベルだろう。この大きな大会で勝っても少しも不思議ではない。意外に今年ワンデーで好調なのがゴデュ。エースはマドゥアスになると思うが、もしかしたらゴデュで勝負に行くかもしれないし、二人が協調すると他のチームには相当な脅威になるはずだ。同様にヴァルテルも強さを見せている。前走では少しいざこざがあったベノートを今回はうまくお膳立てできるだろうか。

 

 

◎その他の注目選手

上記優勝候補以外にも多くの有力選手が出ている。★印をつけたのは好調で上位に入ってもなんら不思議ではない選手たち。中でもグレゴワールは期待したくなる若手で得意そうなプロフィールのレースなのだが、今回はさすがにマドゥアスとゴデュの二人が出ているのでアシストに徹するだろうか。逃げたりすると面白いのだが。。

 

 

◎過去の結果(2022年、2021年、2019年)

参考までに過去3年分の上位10位を入れておく。所属チームは今季との比較も。2020年は中止。ここ数年は人数が絞られた先頭集団から抜け出して勝利するパターンが多く、パンチャーやルーラーのいわゆるクラシックハンターが強い傾向クフィアトコフスキマチューアラフィリップシャフマンマシューズが2回、トップ10に入っている。

出場選手中、過去の優勝経験者は、クフィアトコフスキ(2022年・2015年)のみ。

 

 

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