4月23日にベルギーで開催される【リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ(以下LBLと略))】。愛称は「ラ・ドワイエンヌ(最古参の意味)」で、最も古くからあるレースであり、今年で109回目を数える。起伏のあるレイアウトのアルデンヌ・クラシックの最後を飾る今年4つめのモニュメントは、ポガチャルとレムコの対決に大きな注目が集まる。
*優勝候補は10人(本命は3人)、その他有力選手は30人までを目安にしています。が、今回ちょっと多めです・・・*情報は4月21日現在。出場選手は変更の可能性あり。表内の選手のUCI世界ランクと年齢は2022年12月末時点。
◎レース概要
リエージュを出発し南下してバストーニュを回り、北上してリエージュに戻る、総距離258.1kmコースは、大きな山はないが断続的にアップダウンを繰り返すので獲得標高4443mにも及ぶ。後半はよりアップダウンが激しくなるので、登坂力自慢のパンチャーやクライマー勢の勝負になる。特にグランツールで活躍する総合系の選手が一番勝利に近づけるモニュメントでもあるので、多くのGCライダーたちが参戦する。
坂はこれまでのアルデンヌクラシック2戦(アムステルゴールドレース/ラ・フレーシュ・ワロンヌ)と比較するとひとつひとつが距離が長めで勾配もきつめで、150kmを超えた辺りからは坂を越えるたびに集団が小さくなっていくような展開が多い。例年残り30kmあたりがレースの勝負どころとして騒がしくなってくる。
◎優勝候補
優勝の行方は、タデイ・ポガチャルとレムコ・エヴェネプールの二人の対決が軸になる。現在絶好調でアルデンヌクラシック・ハットトリックがかかる2021年の覇者ポガチャルと、現アルカンシェルでゼッケン1番で臨む2022年の覇者レムコの一騎打ちの勝負もありえるほど、現在二人の力は抜きん出ているように感じる。何かアクシデントがなければ二人のうちどちらかが優勝する確率は90%くらいありそうだ。
しかし、この二人がお互いを意識すればするほど、他の選手にもチャンスは巡ってくる。二人が警戒し合ってる隙を狙ってアタックし、出遅れた二人が牽制しあうことがあれば、抜け出した選手には大きなアドバンテージが生まれるはずだ。そういう意味では小集団のスプリントに持ち込むタイプよりも、自らアタックする積極的なレースをする選手に優勝のチャンスがあると考えた。
そういうアタックが得意なのはパウレス、ベノートだろう。またダウンヒルで差をつけられるタイプのモホリッチ、ピドコックにもチャンスはあるはずだ。コース的にはタフな山岳ステージが得意なライダー、ゴデュ、マス、ウッズには上位に入る適性がある。ただしゴデュとパウレスはワロンヌでの落車や体調不良からどの程度復活しているか、コンディション面に不安を感じるのは懸念材料か。またワロンヌで好成績を残したスケルモース、ランダ、ウッズ、チッコーネ、ベノート、ラフェ、ファンヒルス、バルデあたりは上位に絡む確率はかなり高いと思っていい。昨年好成績だったヘルマンス、イギータも調子次第か。今季好調のルツェンコ、ルイ・コスタ、ヴァルテル、アランブルもワンチャンありそう。個人的に期待値高めなのは(つまり活躍してほしいと応援している)マドゥアス、アラフィリップ。実際はレムコが勝負すると思うが、アラフィリップが元気でいればポガチャルには大きなプレッシャーになるはずだ。同様にマドゥアスが元気ならばゴデュも輝くはずだ(予想というより願望ダダ漏れ)。
*ポガチャルとレムコについては、いろいろ書いていたら長くなってしまいLBLの記事にはふさわしくない内容の領域になってしまったので、別記事にしました。二人を比較しながら対決の予想もしています。ぜひ読んでね♪
◎その他の注目選手
今回はいつもよりも多くの選手をピックアップしてしまい恐縮だが、それだけ豪華なメンバーが揃ったので許してくだされ。クラシックシーズンの最後を飾るモニュメントだしね。この中では★印は特に注目。クラシック戦線で一躍注目される存在になったベン・ヒーリー、裏で行われていたツール・オブ・ジ・アルプスを途中で離脱して参戦するウラソフ、アムステルで4位に入り一皮むけた感のあるクロンと急成長中で勢いのあるフェロンは上位にきてもなんら不思議ではない。他にもクラーウアナスン、チャベス、パシェ、ロータあたりは逃げたりすると面白いのだが、どうだろうか。バーレーン、EFは多くの選手が勝負に挑めそうな布陣で、積極的に仕掛けてくれるとレースは面白くなる。
◎過去の結果(2022年、2021年、2020年)
参考までに過去3年分の上位10位を入れておく。所属チームは今季との比較も。3年間で複数回トップ10に入っているのは、ウッズが3回と安定して上位に入り相性がいい。ポガチャル、バルベルデ、アラフィリップ、ヒルシ、ベノート、モホリッチが2回。
出場選手中、過去の優勝経験者は、エヴェネプール(2022年)、ポガチャル(2021年)、プールス(2016年)。
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