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世界選手権 2022|出場選手まとめ(個人TT・エリート男子)

 

9月18日にオーストラリアで開催される第89回目の【世界選手権(個人TT・エリート男子)】。南半球の海沿いの街ウロンゴンのコースは風の影響もあるだろうか。2周する周回コースは合計34.2km・獲得標高は324mと、ほぼ平坦ながら2度登る標高56mの丘がある。TTスペシャリスト向きであり、登りはほとんご苦にならないと思われるが、非常にコーナーが多いテクニカルなコースはコーナリング技術や加減速のうまさが問われそう。メンバーは世界一を決めるのにふさわしい選手たちが揃った。国による実力差が大きいので、有力選手のみをまとめた。

*情報は9月10日現在、出場選手は変更されることがあります。表内の選手のUCI世界ランクと年齢は2021年12月時点。

 

 

 

 

◎優勝候補

本命フィリッポ・ガンナレムコ・エヴェネプールと予想。間違いなく現在個人TTでは最強の二人。レムコブエルタ個人TTでは圧巻の走り。絶好調ではなかったかもしれないがログリッチに大差をつけ、何よりギア選択が60:11というのは驚いた。普通の選手が扱えるものではない。不安なのはブエルタ直後の疲労。マイヨロホは体力も気力も消耗具合は激しく、時差もある移動にどれほど対応できているか。なお今期の個人TTの成績は6戦4勝・2位2回。対するガンナは準備万端だろう。世界選手権2連覇中で、一週間後のロードレースも不出場のため、完全に個人TT一本に絞っている。来月にはアワーレコードへの挑戦も発表され、モチベーションも高いだろう。ガンナの個人TT2022年の成績は、9戦5勝と昨年ほど無双ではない。

他に優勝候補はキュングヘイターモレマビッセガ。昨年の欧州王者キュングは、ひと月前の欧州選手権でもガンナに勝っていて、状態はよさそう。ヘイターは強い選手なのは間違いないが、成績にムラがある。登坂力もあるがゆるい坂でも遅れたり、その日になってみないとわからない傾向を強く感じる。モレマは昨年まではTTはそれほど強いという印象はなかったのだが、今年は一気に強さが増している。オランダ王者になった後、ツール他シングルリザルトを続けている。個人的には表彰台もありえると思っている。ひと月前の欧州選手権で優勝したビッセガは今年2回ガンナに勝っている唯一の選手。ただはまっている時は非常に強いが、ツールでは途中落車するなど成績にムラがあり、コーナーの多いテクニカルなコースは苦戦するかも。

他は、昨年オーストラリア王者・U23世界戦銀メダルのプラップは母国開催でモチベーションは高いだろう。ポガチャルはおそらく一週間後のロードレースによりピーキングを合わせていると思うが、時々見せるとんでもない破壊力は侮れない。アッフィニフォスユンボ勢、アルミライルランパールトも上位候補。

個人TTはロードレースと比較して実力差が順位に出やすくサプライズは少ない。あとはどれだけ入念に準備できているか、当日の体調やコースコンディションによって優劣が決まるだろう。他の候補は下記表を参照。

 

 

◎その他の注目選手

ここに入れた選手はTT巧者ばかりだが、上記優勝候補たちと比較すると少し力は落ちるだろう。星をつけている選手はトップ10に入る力は十分にあり、コースに走り方がはまれば表彰台もあるかもしれない。特にシェフィールド、ソブレーロは期待。母国オーストラリアでもあるダーブリッジも張り切っているはず。



 

◎過去の結果(2021年、2020年、2019年)

参考までに過去3年分の上位10位を入れておく。所属チームは当時のもの。2021・2020年は中止されている。ガンナが2連覇中で過去3年間はずっと表彰台。他にはキュングが3回、ファンアールトレムコスグリーンデニスドーセットマルティンが2回入っている。チーム(国)としては、ベルギーが5人、イタリア、スイスが4人、イギリスが3人。どの国もほとんどメンバーは重複しているが。

出場選手中、過去の優勝経験者は、ガンナ(2021・2020年)のみ。