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レネウィ・ツアー 2023|出場選手まとめ

 

8月23日からベルギーで開催される【レニュイ・ツアー】。19回目を迎える5日間のステージレースで、旧名称はベネルクス・ツアー(さらにその前はビンクバンク・ツアー)。春のクラシックで使われる地域にほど近いコースのため、クラシックレース好きはわくわくする。この時期はブエルタの裏開催になり山岳コースもないことから、スプリンターやクラシックハンターがステージだけでなく総合成績も狙って集まるのも特徴。以下、注目選手をざっくりとまとめた。

それにしても先週から今週にかけてレースが多い。ステージレースが毎日3〜4つもある。PROクラスもしくは2クラスのカテゴリーが中心なのでワールドチームに所属するトップライダーたちの出番は少ないが、結果を出したい若手や来季の契約がないベテランたちも成績を残すために必死の姿も見られる。全部見るには大変だがなるべく見ておきたい。

*選手が変更の可能性あり。表内の選手のUCIランクと年齢は2022年12月末時点。

 

 

 

 

◎ステージプロフィール

◆Stage1(8月23日/平坦):Blankenberge  >  Ardooie

 距離182.9km|獲得標高365m

ど平坦なスプリントステージ。多くのチームたちが競い合う集団スプリントになるか。各チームの位置取りやトレインの出来も勝負を左右する。残り40kmにあるスーパー8チェックポイント争いも要チェック。

 

 

◆Stage2(8月24日/個人TT):Sluis  >  Sluis

 距離13.6km|獲得標高12m

起伏の存在しない完全に真っ平らな個人TT。パワー系のTTスペシャリストたちによる勝負になるが、そこそこコーナーはあり、コーナリングのうまさも鍵。短めの距離ながら、ここでのタイム差は総合成績に大きく影響するので、総合優勝を狙う選手の顔ぶれや調子の良し悪しも見えてきそう。

 

 

◆Stage3(8月25日/丘陵):Aalter  >  Geraardsbergen

 距離171.2km|獲得標高1417m

丘陵と呼んでいいのかは微妙だが、2番目に獲得標高は多く、中盤から終盤にかけては石畳の急坂のゴールも含む周回コースになり、『北クラシック』らしい激しいレース展開が予想されるステージ。小集団でのスプリント勝負になるか。ここと最終ステージが総合成績を左右する。

 

 

◆Stage4(8月26日/平坦):Beringen  >  Peer

 距離179.4km|獲得標高383m

ほぼ起伏がなくstage4同様スプリンターたちが争うステージ。スーパー8チェックポイントが3つもあり、それを狙って有力スプリンターを含む逃げ集団が形成されると思わぬ逃げ切り勝利も、可能性はある。とはいえ、スプリンターを揃えているチームが多いので、タイム差も容認されにくいはずだが、逃げとのスリルある追いかけっこは期待したい。

 

 

◆Stage5(8月27日/丘陵):Riemst  >  Bilzen

 距離187.3km|獲得標高1841m

stage3同様にスタートから最後まで短い急坂が数多く登場し、激しい展開になると予想。集団は徐々に人数が絞られて、最後まで残る選手が総合優勝に辿り着く。総合成績は大きなタイム差はつきにくいので、ボーナスタイムも含めた争いになるかも。

 

 

 

 

◎総合優勝候補

いわゆる山岳ステージはないので総合優勝はクライマーではなく、石畳の急坂をこなすタフな選手でタイムトライアルにも長けているタイプが有力候補。つまり北クラシックに強いライダーたちである。まずは、過去総合優勝経験もあり、ここひと月好調なモホリッチを後補にあげたい。他にはランパールトアスグリーンのウルフパック勢はチームの母国ベルギーレースでもあり、モチベーションは高くコースの相性もばっちりのはず。この二人はTT能力が高いのも高ポイントだが、エースはどちらになるのか。エースナンバーはアスグリーンだが、ランパールトが直近のレースでは好調そうに見える。他にもクラーウアナスンジングレマドゥアスファンムールは上位に来そうな実力者と予想。個人的な好みでマドゥアスに☆印3つをつけたが、力関係はほぼ横並びくらいか。ここ数レース好調をキープしているクフィアトコフスキヒルシも上位に絡みそうだ。ただヒルシはTTはあまり得意ではないのがネックか。このレースと相性のいいトゥーニッセンもトップ10候補にあげておく。

 

 

 

◎スプリンター

実力あるスプリンターたちが多く集まった。特に興味を惹かれるのは現在最強のスプリンターのひとりフィリプセンと昨年はチームメイトでもあったメルリールの最速ベルギー人対決は見ごたえがあるだろう。そこに割って入りそうな若いベルギー人ライダーが、アルノー・ドゥリーヨルディ・メーウスティボー・ネイス。彼らも母国レースで最速の先輩たちに挑む。ドゥリーは怪我も癒えた様子で、そろそろビッグネームにもしっかり勝ち切りたい。同い年の今年のシクロクロス世界選手権U23王者ネイスも注目度は非常に高い。印象的にはピドコックのようなタイプで、スプリント力でも非凡な力を見せ、実質ロード1年目ながらすでに勝利もあげている。タフなレースにも強いコーイ、今年ブレイクしたミラン、登り調子の気配のヴィヴィアーニあたりも好成績を期待できそう。実績ではトップクラスのフルーネウェーヘン、先日電撃移籍をしたデマールあたりも勝利を願う気持ちは強そう。

また、彼らの中でもクラシックハンターと呼べるような石畳の急坂耐性のある選手は総合成績も上位を狙えるかも。順不同でフィリプセンコーイドゥリーネイスあたりは上位に入るチャンスもある。

 

 

 

◎その他の注目選手

上記優勝候補以外にも多くの選手にチャンスがありそう。特に☆印をつけた選手は注目したい。中でもライトウェレンスは最後までトップ10候補に入れるか悩んだ。

イネオスの若手勢は個人TTも強く、本来なら総合上位に入っても不思議ではないが、プラップトゥレット共にここしばらく調子を落としている印象で、トップ10候補には入れにくかった。ターリングはうまくはまれば個人TTではステージ優勝も狙える。ナーセンセネシャルデゲンコルプスティバルストィヴェンは過去好成績を残したレースでもあり、上位を狙う実力な十分。フェルメルシュフォスダーブリッジビョーグフェルミールスデレク・ジーもコース的には相性は良いと思われるので、コンディションとチーム戦略次第では期待できる。

 

 

 

◎過去の総合成績(2021年、2020年、2019年)

参考までに過去3年間の総合10位を入れておく。所属チームは今季との比較も。2022年は新型コロナの影響で中止された。*レースの名称は当時に合わせている。

出場選手で過去の優勝者はウェレンス(2019年)、モホリッチ(2018年)、スティバル(2013年)。

 



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