ボルタ・ア・カタルーニャ 2022|出場選手まとめ
3月21日からスペインで開催される【ボルタ・ア・カタルーニャ】。フランス国境に近いピレネー山脈中心のコースで、7日間登って登って登りまくるステージレース。スプリントステージでさえ獲得標高が2000mを超えたり、登れるスプリンターでないとまともに勝負すらできない。スプリンターというよりパンチャーに近い選手たちになる。
以下、各ステージと注目選手を簡単に紹介する。
*正式なスタートリスト発表前の情報なので、選手が変更される可能性あり。選手のUCI世界ランクと年齢は2021年12月時点。
◎ステージプロフィール
◆Stage1(3月21日):Sant Feliu de Guíxols - Sant Feliu de Guíxols|171.2km|獲得標高1688m(平坦)
◆Stage2(3月22日):L'Escala - Perpignan|202.4km|獲得標高2166m(平坦)
◆Stage3(3月23日):Perpignan - La Molina|161.1km|獲得標高3394m(山岳)
◆Stage4(3月24日):La Seu d'Urgell - Boí Taüll|166.7km|獲得標高3538m(山岳)
◆Stage5(3月25日):La Pobla de Segur - Vilanova i la Geltrú|206.2km|獲得標高2478m(平坦)
◆Stage6(3月26日):Salou - Cambrils|167.6km|獲得標高2817m(丘陵)
◆Stage7(3月27日):Barcelona - Barcelona|138.5km|獲得標高2121m(丘陵)
平坦ステージとして設定されているのは、第1、第2、第5ステージ。ただし獲得標高は通常の平坦ステージのレベルではない。スプリンター要するチームが小集団でのスプリントに持ち込めるか、パンチャー勢の逃げが決まる可能性も高い。第3と第4ステージは難関山岳かつ山頂フィニッシュ。総合優勝争いはこの二つのステージが重要。第6、第7ステージもなかなかのアップダウン。ステージ優勝を狙うパンチャーたちと総合成績の逆転を狙うクライマーのエースたちが最後の力を使い登坂する。
◎総合優勝候補
本命はバルベルデ。今シーズンが最後の最年長のレジェンドは地元スペインのレースへの意気込みは並ならぬものがあり、シーズン早々から好調を維持している。対抗がサイモン、キンタナ。両者ともに今シーズンは絶好調といっていい最強レベルのクライマー。直近のパリ〜ニースでは優勝したログリッチをおびやかす登坂を見せたサイモンは2位、キンタナは5位に入った。もちろん、イネオスも強い。エースはカラパスだが、いつもながらムラがあり、調子のいいポートが途中からエースになることは十分あり得る。直近のティレーノ〜アドリアティコではカラパスがリタイア、ポートは4位に入った。他の選手では、ウッズ、マルタン、チッコーネ、ヘイグらも表彰台に絡む力は十分。キンタナ以外にも伝統的に強力なクライマーがいるコロンビアン・ライダーも多く出場する。ウラン、チャベス、イギータの走りも注目だ。好調の若手ヒンドレーとヴァルタも一皮剥けそうで楽しみな存在。アルメイダとデュムランは実績はトップクラスだが、どちらかというとTTが得意な選手で、山岳祭りのカタルーニャは苦戦するかもしれない。
今大会は力が拮抗している選手たちが多く、優勝候補は多めにリストアップした。複数のエースを立てそうなチームもあり、直近のレースで流行った感染症の影響を受けている選手も多く、その中で好調を維持できている選手が勝つことになりそう。別の言い方をすると生命力の強い選手が強い。他の上位候補は下記表を参照。
チームとしては、地元でもありバルベルデに華を持たせるべく張り切るだろうモビスター、昨季表彰台を独占したイネオスの2強が中心。コロンビア人クライマーがいる、EF、アルケア、ボーラも注目。サイモンの弱みとしてはアシストが他チームより劣るところか。
◎その他の注目選手
アシストあるいはサブエース的な選手に次世代のトップクライマー予備軍が多くいる。ソーサ、カルロス・ロドリゲス、ヴァンハウケなど。そんな中でも特に注目したいのは、先日サウジツアーで初勝利をあげたブイトラゴ22歳、そしてネクスト・ポガチャルとでもいう存在のアユソ19歳。あとはプロチーム、ウーノエクスのトビアス・ヨハンネセンとチャーマ。彼らの可能性を探るにはもってこいのレース。
逃げによるステージ優勝があるかもしれない。その目線での注目はストーラー、スヘリンフ、スケルスモース、デヘント。クイックステップのファンウィルデルなど、新たな若手のエスケイパーが出てくると更に面白くなるだろう。
◎スプリンター
何度も触れるが、カタルーニャはピュアスプリンターが勝つのは難しい。よってマシューズとコルブレッリが2強だろう。バジョーリ、オフステテール、エイキングはまだ勝負できそうだが、バウハウスやグローブスは苦戦すると思われる。それにしても、コルブレッリは同時に開催されるクラシック(3/25にE3サキソバンク)にもスタートリストに名前があるのだが、どうするのだろうか。何かの間違いかもしれない。
◎過去の総合成績(2021年、2019年、2018年)
参考までに過去3年間の総合成績10位までと各賞(ヤングライダー・ポイント賞・山岳賞)を入れておく。所属チームは今季との比較も。なお、2020年は新型コロナの影響で中止された。やはり、イネオス、モビスター、バイクエクスチェンジが強い。EFも健闘している。ユンボやUAEは例年あまり力を入れていないのがわかる。今年はどうだろうか。ポイント賞もスプリンターはマシューズ以外はとれていない(とる気がないだろう)。個人でトップ10に複数回入っているのは、バルベルデ3回、キンタナ、アダム、サイモンが2回。