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ドワーズ・ドール・フラーンデレン 2022【リザルト】

 

330日に開催された【ドワーズ・ドール・フラーンデレン】。有力選手たちが中心になってアタックが繰り返され、最後にスプリントで勝利したのは、やはりマチュー・ファンデルプールだった。

*表内の選手のUCI世界ランクと年齢は2021年12月時点。

 

◆2022年のレースの模様はこちら(シクロワイヤードの記事)。

 

 

 

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マチュー、貫禄の勝利。ゴール前でベノートは追うのを諦めて勝者に拍手をしていた。

 

 

◎トップ10

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やや新鮮なメンバーになったトップ10の選手たちはなかなか興味深い。ロンドを控えて抑え気味の選手たちも多かった様子。ファンアールトやモホリッチたちはレースをスキップしていた中、全力に勝ちに行ったマチューを賞賛したい。7位に入ったオブライアンは、23歳ネオプロ(今季プロデビュー)。オーストラリアから新しいバイクエクスチェンジらしい選手が出てきた。192cmと大柄なトラック出身の選手。東京五輪ではオーストラリア代表としてチームパシュートで銅メダルをとっていた。ロードレースはまだほとんど経験がない中、このレベルのトップ集団で走りきったのは驚嘆。

8位のベン・ターナーも22歳のネオプロ。昨年のU23イギリス選手権個人TTで2位になった期待の若手。194cmと大柄なシクロクロッサーでもあり、イネオスではワンデー中心に出場しているが、TT能力が高いのでガンナのような役割を果たしていくと思われる。二人とも名前を覚えておいて損はない。

 

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ゴール前の3位争いをピドコックが制した。7位に入ったネオプロのオブライアン(バイクエクスチェンジ)は今後の注目。

 

 

◎予想結果:優勝候補

【予想文面】→ 本命はマチュー。怪我からの回復途中であるはずだが、それでも彼の強さは揺らがない。4日後に控えたロンドの前哨戦のように考えているかもしれない。対抗はランパールトベノート。二人とも過去の成績の相性の良さは抜群。ここまでのクラシックレースではいまひとつ調子の上がらないクイックステップよりもユンボの方が好調を維持している分、期待が大きいか。他には好調をキープしているテュルジスファンバーレピーダスンクラーウアナスンも有力候補。そして、もはや何でもあり感が漂うポガチャルは、エースはトレンティンだと思うが、ここで勝っても驚かない。ここ数レースで石畳への順応性を見せているマドゥアスアランブルも上位を狙う力は十分と見た。他の上位候補は下記表を参照。

【結果】→ 優勝はマチュー。力強い走りは復活と言ってよいだろう。完全復活かどうかは、次戦ロンドでの様子次第だが、期待は高まるばかり。2位ベノートの最後まで優勝を争った姿も印象的。ファンアールトもラポルトもいないユンボでエースとしてこれだけ結果を出せるのが今年のユンボのすごい所。その他の優勝候補に挙げていた選手たちは全体的にロンドを控えて力をセーブしていた印象。ベノートはロンドではアシストに徹する予定で全力だったと思われる。マデュアスカピオットは十分な健闘だろう。ポガチャルは様子見の石畳チャレンジだったはずだが10位に入り、週末のロンドはまた驚くような走りを見せてくれるかもしれない。結果としてトップ10のうち3人しか当てていないので予想は散々だったが、他の上位の選手は注目選手であげていたのでよしとしよう。

 

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ポガチャルは石畳の感触を確かめるように道の真ん中を走り、時折アタックもしてみせた。

 

 

◎その他の注目選手の結果と雑感

【予想文面】→ 本命優勝候補に上げた選手以外でも多くの選手にチャンスがあるレースだと思う。比較的距離が短いことと登りも緩めなため、チームの戦略がうまくはまればいろんな選手が勝てる可能性がある。その分、息を抜く間がない強度の高いレースになる可能性もある。UAEユンボが序盤から飛ばす展開になると早々に脱落するチームも出てくるかもしれない。そんな展開だとトラトニックヴァルグレンキュングカンペナールツ等の耐久性のあるルーラー系の選手たちが勝負に出るかもしれない(表内ピンクの星)。逆に全体に牽制が入れば力のあるスプリンター陣、レハールコーイデリーヤコブセンフィリプセンフルーネウエーフェンにもチャンスがある(表内水色の星)。ただ、ポガチャルがおとなしくしているとは思いにくいので、スプリント勝負に持ち込める可能性はやや低め。なお、新城幸也が出場するとの情報もあるが、現時点での公式スタートリストでは名前が載っていない。

【結果】→ カンペナールツ4位、キュング6位、トラトニック9位と彼らが出てくる展開のレースだった。ポリッツ5位も同じ展開なら出てくる選手で不思議はない。ピドコックは今季あまり結果がよくなかったので少し予想外だったが、彼の調子があがってきたのとレース特性が合っていたのははわかる。そしてやはり、スプリンターには厳しいレースになった。最終局面まで残れた選手がいない中、フィリプセンレハールはかなり健闘。そしてサム・ベネットは厳しい状態が続く。体調面よりもメンタル面で心配。ベルギークラシックへの急遽参戦が続いた新城幸也はきっちり仕事をこなした。このハードな展開になった石畳のレースで4分遅れの25位の集団(59位)で走りきったのは、非常に調子がいいことがわかる。当初は逃げに乗る予定だったとか。久しぶりにユキヤの逃げが見たい。

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マチューは2度目の戴冠。4日後のロンドへ向けて好調をアピール。

 

 

 

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