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チームと選手の成績チェック【3月終了時】

 

3月に入り、いよいよ春のクラシックシーズンも中盤に差し掛かり、チームの好不調がはっきりしてきた。現時点での成績をチェックしてみた。

◆2月の成績振り返りはこちら。

 

 

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今年もすでに王座についたポガチャル。ストレーデビアンケの独走勝利は驚いた。

 

◎チーム成績(勝利数)

ここまでのチーム勝利数トップはダントツでUAEチームエミレーツ。7勝をあげているポガチャルを筆頭に多くの選手が活躍。移籍で獲得した選手たちも結果を出し、過去最強のチームになっている。昨年の36勝が最高の勝利数だがすでに22勝。年間で80勝しそうな勢いはどこまで続くか。勝利数2位のクイックステップは、それでも残念な状態と言わざるをえない。過去10年間、年間勝利数1位を継続しているチームは、地元ベルギーの春のクラシックを得意にしていたが、今年はまだひとつも勝っていない。ユンボは勝利数こそ8勝ながら、勝ったのはビッグレースばかり、かつ上位入賞しているので獲得ポイントが高く、UCIランキングでは2位。下の活躍している選手の表でもわかるが、ラポルトやベノートの獲得がチームに大きく貢献している。現在、ワンデーレースでは最強のチーム。イネオスバーレーンも強豪チームらしく順調に勝ち星を重ね、主力のベルナル、コルブレッリの欠場という不幸も他の選手たちでカバーする層の厚さがさすが。ロットコフィディスアンテルマルシェも大健闘。アンテルマルシェは加入したクリストフのリーダーらしい働きと新星ギルマイの勢いは、中堅チームのような存在感を見せている。

逆に残念なチームは、トレックEFAG2Rグルパマ。中堅チームのような強さが見られず奮起したいところ。イスラエルDSMに至っては壊滅的な厳しさ。イスラエルは昨年の25勝がたったの1勝で、DSMはいまだに0勝。アスタナは勝利数こそ6つあるが、うち5勝はアジア選手権でのもので、UCIポイントランキングではワールドチームで最下位だ。給与遅延や運営会社が告訴される等あまり良くないニュースが聞こえてくる。昨年消滅したクベカのこともあり、心配が尽きない。

今季はここまでパリ〜ニース感染症が流行ったり、体調面での不調を訴える選手が例年よりもかなり多い。落車で大きな怪我を負う選手もいたり(それは毎年だけど)選手の実績よりも、戦力をいかに落とさずにレースを迎えるかといったマネジメント部分もチーム力として大きな差がつく様子も見れる。

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ミラノ〜サンレモで炸裂したモホリッチ。あのダウンヒルは後世に語り継がれるレベル。

 

 

プロチームでは、アルケアの好調ぶりは際立っている。多くの選手が活躍し、特にキンタナグランツールでも上位に絡む活躍が期待できそう。アルペシンはファンデルプールの復活に伴い、勢いを取り戻してきた。チーム最高の昨年の31勝に匹敵する成績を残せるかもしれない。トタルもクラシックですでに過去最高の結果を残し、ワールドチーム昇格への野望を実現しそうな勢い。ここまで苦しんでいるサガンが復活したらもっと大きな飛躍が望める。ウーノエックスアンドロジーも活躍が目立ち好印象。

なおガスプロムはロシア排除の流れからチームの権利を剥奪されたので、現時点でリストから外した。当たらなスポンサーを探して活動中、見つかることを祈る。

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ラポルトパリ〜ニースで3日間マイヨジョーヌを着用。ユンボに欠かせないピースになった。

 

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ミラノ〜サンレモで2位に入ったテュルジス。好調を維持する今年こそビッグレースで勝利を。

 

 

◎個人成績UCIポイント)

現時点のランキング上位50名を表にした。2月に続き好調な選手と、ビッグレースで結果を残した選手が順当に上位に入った(ポガチャルは順当というより異常だが)。この中で特筆したい数人をピックアップすると、まずは3位のギルマイ。アフリカ選手で初のクラシック勝利を遂げたのは今年の大きなトピックのひとつ。まだまだ伸びしろたっぷりでトップライダーの仲間入りを果たしそうな勢い。ラポルトも凄まじい活躍。優勝こそユンボの3人でゴールしたパリ〜ニースstage1のひとつだけだが、5つのレースでトップ10に入り存在感は高まるばかり。キンタナブアニオフステテールの活躍が目立つアルケア(バルギルとカピオットも50位以内に入っている)、ファンヘステルテュルジストタルエナジーメルリールデボントマチューのアルペシンも含めてプロチームが好調。ワールドチームの中堅どころの成績を余裕で挙げている。

チームとして多く選手がいるのは、UAEが7人、アルケアが5人、ユンボイネオスが4人。アスタナEFAG2Rは一人も入っていない。

大きな飛躍の兆候が見えるのは、ヴァルシャイドがパワフルなスプリンターとして覚醒し、20歳のデリーユアンが不調で休む中でチームのエースとして結果を出し、19歳のアユソも期待以上にすさまじい走りを見せている。イギータヒンドレーの二人もボーラに移籍して復活の兆しが見え、今後のレースへの期待が膨らむ。ダニエル・マルティネスカルロス・ロドリゲスもベルナルの穴を埋める存在として期待大。

ここに載っていない昨年の成績から大きく落ちている選手では、アラフィリップフィリプセンゴデュモレマシャッハマン。どこかで調子を上げて欲しい選手たちだ。

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4月のレースの最大のトピック、ギルマイのクラシック初勝利。

 

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ヴァルシャイドのど迫力スプリント。グライペルを想起するような力強さがあった。

 

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今年からツアーに参戦した新人のデリーは、早くも2勝。要注目の若手。

 

 

◆期待の若手はこちらでも紹介。

◆昨年の年間ランキングトップ50はこちら。

 

4月はモニュメントを筆頭にビッグレースが続くので、石畳からアルデンヌへ続くクラシックレースの得意な選手やチームがジャンプアップするだろう。ギルマイに負けじとブレイクする選手も出てくるかもしれない。まだまだ楽しいレースが続く。

 

 

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