ロードレースみるひと

ロードレース観戦ガイドのブログ

ツール・ド・フランス 2022|ステージプロフィール

 

7月1日から開催されるツール・ド・フランス。今年は自転車大国のデンマークで幕を開ける。本来であれば昨年開催されるはずだったのをコロナの影響で見送られたため、一年間待ったデンマークの人々の熱狂はかなりのものだと想像できる。特に自国の選手たちには初日のTTから多くの声援が飛ぶだろう。デンマークで3日間過ごした後、移動日でフランスに移動し、クラシックで有名なフランドル地方を南下しながら途中でベルギーやスイスにも立ち寄る。休養日明けの2週目にアルプス3連戦に突入、本格的な総合優勝争いが始まり、多くの選手が脱落し、数人の優勝候補たち以外はステージ優勝や山岳賞争いに加わるだろうと予想している。3週目にはピレネーで激しい山岳をこなした後、長距離の個人TTで総合優勝争いに決着をつけ、最終日は恒例のパリ・シャンゼリゼ通りでの集団スプリント。バラエティに富んだコースは様々なタイプの選手が活躍する舞台として、日替わりの主役たちが誕生するに違いない。

 

 

 

◎ステージプロフィール

各ステージの特徴を簡単に表にしました。コース名(地域名)、コースの特徴、《平坦/丘陵/山岳/個人TT》の区分、走行距離、獲得標高、山岳の種類と数、ゴール状況(山頂フィニッシュ/集団スプリント等)をまとめているので、レースを見るときの参考になればと。またステージに向いてるタイプの選手も一部記載。実際には調子の良し悪しやチーム状況によって(アシスト専念か自由があるか、総合エースがいるか脱落したか等)勝つ選手は変わると思うので、あくまで参考までで。一週目序盤のステージから荒れる展開もあり得るし、中盤には総合優勝争いはかなり絞られる可能性が高いと思っている。その分、総合成績が逆転する余地もあるし、逆の見方をすればステージ優勝狙いで動く選手が多くなればレースは活性化して連日ワンデーレースのように面白い展開になるかもしれない。

 

 

まず個人TTがふたつ、stage1stage20。初日のTTは距離も短めで市街地を通るコーナーが多いコースなので、多くの選手に勝つチャンスがある。つまりマイヨジョーヌを着れる可能性があるということ。特に地元デンマーク勢を中心に張り切る可能性が高い。デンマーク勢でTTで狙ってきそうなのはスグリーンビョーグピーダスンコルトヴィンゲゴーstage20はもちろん総合優勝争いを決定づけるステージになり、表彰台争いやトップ10に入る可能性のある選手は力を使うことになる。ただし、それまでに大きな差がついていれば消化ステージになる可能性もある。*TTが得意な選手はページ下部のリンク先を参照。

平坦ステージは全6ステージだが、ピュアスプリンターが勝てそうなステージは半分くらいかもしれない。stage2は残り21kmからの海の上を走る橋が曲者。強風が集団を襲うのは間違いなく、トレインできっちり走れるチームが分断を仕掛ける可能性が高い。それは総合優勝争いにも影響があるはず。stage31921ヤコブセンフィリプセンユアンフルーネウェーヘンらピュアスプリンターたちと自慢のトレインの脚の見せ所。ただし、終盤のステージは山岳ステージを超えた後なので、疲労回復の状態やアシストたちのリタイア状況にもかかってくる。簡単に勝てるステージはないだろう。stage1315は途中の山岳で脚を削られるため、半分くらいのスプリンターは脱落しそう。マシューズサガンクリストフピーダスンといった登れるスプリンターやパンチャー向きのコース。こういうコースはファンデルプールが強い。タコさん、コルトポリッツフェルメールシュあたりの独走力のある選手が逃げると楽しいか。

丘陵ステージはバラエティ豊かなコースが多い。stage4は無数のアップダウンがあり忙しいコースでパンチャー向けだが、生き残ったスプリンターたちとの小集団スプリントになる可能性が高い。stage5は今回の注目ステージのひとつ。パリ〜ルーベの石畳がふんだんに使われるコースで、多くの選手が苦戦しそう。落車やメカトラブルも発生しそうで総合成績にも大きく影響するかもしれない恐怖のステージ。石畳が強い選手は張り切るだろう。ファンアールトファンデルプールデゲンコルプサガンランパールトあたりは確実に強い。stage6、8、10はパンチャー向き。最後のツールを走るジルベールや、マデゥアスピドコックヒルテュルジスあたりが得意なコース。もちろん、ファンデルプールファンアールトも無視できない。stage1416は逃げの可能性が高い。ここまでの疲労に加え、終盤の激坂区間では無理をしたくない選手が多いはず。山岳の得意な選手が逃げに乗ったら要注意だ。モホリッチケムナモレマDトゥーンスあたりが活躍しそうでもある。

山岳ステージはほぼ全部のステージが総合優勝争いに直結する。アルプス山脈は標高がありながら割とゆるやかな山が多く、ピレネー山脈は急峻で険しい山が続くイメージ。stage791112はアルプスを中心に全て山頂フィニッシュという過酷さ。ツールも中盤なのに、総合エースたちは連日人数が減っていくサバイバルレースに突入していく可能性が高い。stage7はゴール前はユイの壁並みの激坂区間グリッチポガチャルが加速すると思わぬ差がつく可能性もある。Dトゥーンスファンデルプールも強いだろう。特に過酷なのはstage12はクイーンステージといっていい。ガリビエ峠(前日のstage11も登る!)、クロワ・ド・フェール、最後にツール名物のラルプデュエズと3つもの標高の高い超級山岳を登る悪夢のようなステージ。これは選手がかわいそうだ(ほめてる)。しかも、12日はフランス革命記念日。フランス人は張り切るだろうし、自国選手へのプレッシャーもかなり激しい可能性が高い。バルデゴデュピノらが活躍すると大盛り上がりになるので、奮起を期待したい(圧力ではない)。stage17、18ピレネー2連戦はどちらもえげつないほどの山頂フィニッシュで、総合優勝争いに決着をつけるステージ。書いてるだけで酸欠になりそうでくらくらしてきた。笑

 

 

◎ステージ優勝候補たち

有力選手たちを総合優勝候補、スプリンター、その他に分けて以下のページで紹介しています。基本的には平坦ステージ=スプリンター、山岳ステージ=総合優勝候補、丘陵ステージ=パンチャーやクライマー(逃げもあり)、個人TT=TTスペシャリストか総合優勝候補からそれぞれのステージ優勝をするケースが多くなるので、興味のある方は選手の脚質タイプを参考にしてみてください。

jamride.hateblo.jp

 

参考までに過去3年間の総合成績20位までと各賞(ヤングライダー・ポイント賞・山岳賞)をリンク先のページに記載した。情報量が多くなってしまったので別ページに。

jamride.hateblo.jp