サイクラシックス・ハンブルク 2022|出場選手まとめ
8月21日にドイツで開催される第25回目の【サイクラシックス・ハンブルク】。ワールドツアーの中では比較的新しいレースである。走行距離は204.7kmで、6つの山を越えて獲得標高は852mしかなく、前半はほぼ真っ平ら。中盤から終盤にかけて3回登る70mほどの丘が勝負どころ。道も狭く勾配は最大12%を超えて少しきつめだが距離が1km程と短いため、集団は割れても最終的にはスプリンターが追いつき、スプリントで決着することが多い。
各チームともスピード自慢の選手をきっちり連れてきた。現在のスプリンターのランクでトップ30以内のうち半分の選手が揃っている。もうエース同士の対決といっていいメンバーだ。先日のヨーロッパ選手権でも対決した多くの選手達が走るが、選手権は国別対抗だったのでこちらのほうがいつものリードアウトがいたり、スプリント勝負はより見応えがあるかもしれない。
*情報は8月20日現在、出場選手は変更されることがあります。表内の選手のUCI世界ランクと年齢は2021年12月時点。
◎優勝候補
本命はヤコブセンを。ヨーロッパチャンピオンジャージのお披露目レースになるのだろうか。スプリント勝負のうまさとスピードは他の選手を圧倒していた。実際今年はここまで集団スプリントになったレースでは7割以上も優勝しているというとんでもない勝率で、現在最強のスプリンターなのは間違いない。トラブルがなければ表彰台には確実に絡むだろう。ランパールトやセネシャルといつも組むチームメイトが揃っているのも好材料。
対抗はフィリプセン。ヨーロッパ選手権はメルリールがベルギー代表として出場していたので出なかったが、デンマークツアーでも2日前に勝利をあげ、こちらも調子はよい。
他のベルギー勢からはファンアールトも出場し、こちらも優勝候補。大暴れしたツール以来のレースでコンディションはどうだろうか。仮にいまいちだった場合はラポルトがエースになりそう。ラポルトもデンマークツアーでリードアウトしたコーイがステージ2勝し、自らもステージ優勝&総合優勝を飾るという絶好調ぶり。どちらで勝負しても強いのは間違いなさそう。
他も非常に豪華なマンバー。正直な所、誰が勝っても不思議ではない。優勝候補にあげた選手以外では、ここひと月ほど調子を上げているのはコルト、デマール、ヴィヴィアーニ、クリストフ、フルーネウェーヘンあたりか。ダイネーゼ、バウハウスも悪くはない。ちょっと気になるのはコフィディス。エースはコンソンニと想像したが、他にアレハールト、ヴァルシャイド、ノルウェーで活躍したザングルもいて面白い勝負ができそうに思える。とはいえ他のスプリンターが強力すぎるので不発に終わるかもしれない。
ニッツッォーロとユアンは本調子ではない状態が続いている印象。サロー、ポリッツ、ガルシア、オフステテールは集団スプリントだと他の選手にやや劣るだろうか。各チームのエースは下記表を参照。
◎その他の注目選手
基本的にはここに載せている選手は全員リードアウトなどのアシスト要員になるだろう。ただし星をつけた選手はエースとしてスプリント勝負をするかもしれないし、それだけの力はあるだろう。新城幸也も出場する。彼は今年はステージレースよりもクラシック中心に出場していて少し新鮮に感じる。まだ来季の契約は決まっていないが、まだバーレーンで活躍してほしいと願う。
◎過去の結果(2021年、2019年、2018年)
参考までに過去3年分の上位10位を入れておく。所属チームは今季との比較も。なお2021、2020年は中止されたため、今回は3年ぶりの開催である。スポンサーの変更に伴いレース名は少し変わっている。ヴィヴィアーニが3連覇中。デマール、クリストフが3回、ニッツォーロ、サガン、トレンティンが2回トップ10に入っている。チームとしては、クイックステップ、UAE、グルパマ、トレックが延べ3人入っている。
出場選手中、過去の優勝経験者は、ヴィヴィアーニ(2019、2018、2017年)、ユアン(2016年)、クリストフ(2014年)、デマール(2012年)。