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カデルエヴァンス・グレートオーシャン・ロードレース 2023|出場選手まとめ

 

1月29日にオーストラリアで開催される第8回目の【カデルエヴァンス・グレートオーシャン・ロードレース】。カデル・エヴァンス(オーストラリア人で初めてツール・ド・フランスを制した)の名を冠したまだ8回目と歴史が浅いワンデーレース。こちらも先日のツアー・ダウンアンダーと同様3年ぶりの開催であり、出場選手のほとんどはダウンアンダーを走っている。以下、レース情報をざっくりまとめた。

*なお、今年は優勝候補は10人まで(本命は3人)、その他有力選手は30人まで絞るため、リストから外す選手も多くいることはお詫びしておく。*情報は1月27日現在。出場選手は変更の可能性あり。表内の選手のUCI世界ランクと年齢は2022年12月末時点。

 

 

 

 

◎コースについて

コースの総距離は174.3km・獲得標高は1685mと、ほぼ平坦なコースで多くのスプリンターにもチャンスがある。前日に女子レースがあるので展開は参考になるかも(女子は周回コースを2周)。スタートから50kmほどは細かいアップダウンが続く丘陵地帯を走るが選手が脱落するほどの難易度は全くない。その後は海沿いの平地を中心に進み、見た目には気持ちのいいビーチ沿いだが風には注意が必要。分断が起きるとレースはがらりと厳しさを増す。最後はジーロング市街地の周回コースを4周。周回コースにある坂チャランブラ・クレセント(登坂距離1km・平均斜度9%・最大20%超)が勝負をかけるポイントになるだろう。計4回通過するここをスプリンターが生き残れるかどうか。最後に通過してからは残りは10kmほどは平坦基調。これも遅れたスプリンターが追いつけるか微妙な距離。ある程度の集団によるスプリント決着か、抜け出してロングアタックをするパンチャーによる少人数のスプリントのどちらかになると予想している。

 

 

◎優勝候補

優勝候補は、残り10kmあたりの最後の登坂で飛び出した選手たちで争われると予想(この前提が崩れると予想はガタガタになるが)。根拠としては、強力なスプリンターを揃えているチームが少ないこと、結構な坂なので集団はばらける可能性が高いから。登坂のアタックに定評があり、且つダウンアンダーでも調子の良かった選手を中心に優勝候補をあげた。

仕掛けそうなクライマーの筆頭はジェイ・ヴァイン。ダウンアンダーの総合優勝者は勢いもあり、その積極的な走りは他チームからのマークも厳しいだろうが、お構いなくアタックする元気がありそう。ただし彼が後続を振り切れるほどの坂ではないこと、スプリント力は他に勝る選手は多くいて優勝候補かというとちょっと厳しい。同じくUAEのヒルシの方が調子がよければヴァインを警戒するライバルを尻目にキレのいいアタックを繰り出して勝利する、なんてチャンスはありそう。彼らのアタックにくいついていきそうな選手として、サイモン・イエーツベッティオルサイモン・クラークカッタネオも候補に挙げ、ゴドンテスファツィオンは、かなり早いアタックを仕掛けてそのまま逃げ切りそうな選手として、優勝候補に敢えて入れてみた。

またほとんどのスプリンターが坂で遅れる中、マシューズは遅れを最小限にとどめてスプリント勝負に持ち込めると期待している。ダウンアンダーで勝てなかった鬱憤を晴らしてほしい。また個人的に気になっている存在はユーゴ・ペイジ。優勝はさすがに厳しそうだが、先頭グループに残れれば非常に面白い存在。

 

 

◎その他の注目選手

スプリンター(ユアンメーウスタイッセンストロングオフステテール)が先頭集団に生き残れるなら一気に優勝候補にあがるが、可能性は低いと感じている。横風などでうまく仕掛けるとイネオスが一気に有利になる展開もありうるが、集団の周回コースに至ると登坂でもスプリントでもこのメンバーでは勝てるイメージはわきにくい。オコーナーヒンドレーはGCでの実績は突出しているがワンデーで勝てるイメージはあまりない。とはいえ母国レースでもあり、それなりに気合も入っていそう。ホノレクリス・ハミルトンはワンチャンあるかも。ないかも。

なおワールドチームの参加は11チームのみ(アルペシン、アスタナ、バーレーン、コフィディス、グルパマ、ユンボ、モビスターは出場しない)と、およそ1/3がいないので、今回は有力選手の人数を絞れた。

 

 

◎過去の結果(2020年、2019年、2018年)

参考までに過去3年分の上位10位を入れておく。2022・2021年は中止。チーム名は現在所属するチームも併記。

出場選手中、過去の優勝経験者は、デヴェニンス(2020年)のみ。インピーは直近の3回連続で表彰台に乗っている。複数回入っている現役選手では、上記二人以外はヴィヴィアーニユアンが2回づつ。それにしても、他のワールドツアーとは少しケロが違うとはいえわずか5年前のレースのトップ10のうち6人が引退しているというのもなかなか厳しい(インピーも来年は引退してしまうし、デヴェニンスもそれほど長くはないだろう)。

 

 

 

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