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世界選手権 2023(個人TT・男子エリート)|出場選手まとめ

 

8月11日にスコットランドで開催される第90回目の【世界選手権(個人TT・男子エリート)】アルカンシェルを決めるのにふさわしい実力者たちが今年の揃った。以下、国別に有力選手を簡単にまとめた。国による実力差が大きいため有力選手のみの記載で、全体にざっくりとした薄い情報であることはお断りしておきます。(ワールドチームに所属していない半アマチュアのような選手はほとんど知らないので悪しからず)

*情報は8月10日現在、出場選手は変更されることがあります。表内の選手のUCI世界ランクと年齢は2022年12月時点。

 

 

 

 

◎コースプロフィール

スターリングを発着地にするコースは合計47.8km・獲得標高は352mと、ほぼ平坦で基本的にはパワー系のTTスペシャリスト向き。前日に行われる女子レースとコースの7割くらいは重なるので参考になるだろう。中盤に登る丘が3つあるがそれほどの障害ではなく、勝負を分けるポイントになりそうなのは、残り4kmからアップダウンとコーナーが連続するセクター。特にゴール前の1kmは体力的にも厳しいところで平均斜度6%超えの登坂。また坂はかなりの石畳なので北クラシックに強い選手が優位になりそう。

 



 

 

◎優勝候補

優勝を争うのは、ガンナファンアールトレムコキュングの実質4人と思っている。この中で誰が勝つのかは、正直わからない。ガンナは今大会はトラックに出場し金メダルを獲得。またツールは出場せず、代わりにツール・ド・ワロニーに出て総合優勝するなど、コンディション的にはかなりいい状態。6日に行われたロードレースに出場したファンアールト(2位)とキュング(5位)は好調そうではあるが、そのダメージをどれだけ回復できているか。レムコはロードレースでは脱落してしまったが、逆にTTに備えて抑え気味に走っていたならばこちらは期待できそうにも思えるが、どうだろうか。コース適性的には最後の坂はファンアールト向き(ガンナ、キュングも悪くはない)。レムコはこの4人では純粋な登坂なら一番得意だが、苦手な石畳という部分で個人的にはちょっと苦戦しそうと見る。レムコが勝つには坂の前に他の選手からリードを取っておく必要がある。また出走順ではファンアールトだけがかなり早いため、ファンアールトのタイムを見て走ることができるのは他の3人には有利にも。

他の上位候補では、フランスTT王者のカヴァニャカッタネオは調子がよく好印象。Gトーマスも世界選手権は二度目の挑戦ながら、母国開催でかなりやる気のはず。一皮むけた感のあるビョーグ、なんだかんだ世界選手権TTでは過去二回出場しトップ10に入っているポガチャルも侮れない。注目したいのは母国開催で大声援を受けそうなジョシュア・ターリング。ヘイターがいないなど有利な側面はあったが、今年のイギリス選手権で優勝した19歳。昨年の世界選手権TTのジュニア王者で(昨年はジュニアのレースでTTは5戦全勝)、今年はU23をスキップしエリートに出場。かれは数年後にガンナの後を継ぐ逸材になるだろう。

上位候補は下記表を参照。ちなみに上から順に10位までこの順番になると想像している。国名に色が付いているのはTTチャンピオン。

*8/11日17時10分追記)選んだ10人は変わっていないが、順番を一部変更。優勝はファンアールトに期待。

 

 

◎その他の注目選手

その他では、ビッセガスグリーンはトップ10に入っても少しもおかしくない。この二人は最後までトップ10候補に入れるか迷った。昨年のアルカンシェルビアス・フォスは今年はいいところがなく、今大会も厳しい印象。今季で引退する過去2回アルカンシェルになったローハン・デニスも、さすがに力の衰えは感じてしまうが今大会に向けて仕上げているはず。

マクナルティアルミライルダーン・ホーレネルソン・オリヴェイラポリッツも上位候補の実力者。ヴァインアルメイダも好成績を期待したいところだが、コンディション面に不安を感じている。

*事前のスタートリストには名前のあったヴァーレンショルト、グロスチャートナー、フィッシューブラックは欠場になった。

 

 

 

◎過去の結果(2022年、2021年、2020年)

参考までに過去3年分の上位10位を入れておく。出場選手中、過去の優勝経験者は、フォス(2022年)、ガンナ(2021・2020年)、デニス(2019・2018年)。こうやってみると表彰台はガンナ、ファンアールト、キュング、レムコでほとんど占めてる。