ロードレースみるひと

ロードレース観戦ガイドのブログ

世界選手権 2023(個人TT・女子エリート)|出場選手まとめ

 

8月10日にスコットランドで開催される第90回目の【世界選手権(個人TT・女子エリート)】なお、女子選手は特に国による実力差が大きく、有力選手のみの記載にしているため、紹介している選手数は少なく、全体にざっくりとした薄い情報であることはお断りしておきます。(ワールドチームに所属していない半アマチュアのような選手はほとんど知らないので悪しからず)

*情報は8月8日現在、出場選手は変更されることがあります。表内の選手のUCI世界ランクと年齢は2022年12月時点。

 

 

 

 

◎コースプロフィール

スターリングを発着地にするコースは合計36.2km・獲得標高は242mと、ほぼ平坦で基本的にはパワーのあるTTスペシャリストのライダーが強いだろう。中盤に登る丘と残り4kmからアップダウンとコーナーが連続してゴールは平均斜度6%の登坂が勝負を分けそう。上位と下位の選手とは相当なタイム差がつきそうなので、現時点ではスタート順は不明だが、走る選手は半分を過ぎてからが本当の勝負になる。

 

 

 

◎優勝候補

上位陣はなかなか実力伯仲の勝負になりそうである。マーレン・ローセルは優勝候補本命とみていい。先日行われたツール・ド・フランス ファムの個人TTでも優勝し、今季は個人TTは3戦全勝。登坂も苦にしないしスタミナ・パワーとも女子では最強クラスで、8日に行われたミックスリレーでもスイスチームで金メダル。対抗は復活のクロエ・ダイガードと新女王デミ・フォレリング。ダイガードは2019年のITT王者だが、昨年EBウイルスによる単核球症を発症し一年間療養し、今年5月にレースに復帰すると好成績を連発。6月のアメリカ選手権ではITT・RRともに優勝し、見事にフッカルを果たした。2019年のピーク時にも劣らない素晴らしい走りをしていて、うまくハマれば2度目の戴冠もあるかもしれない。デミ・フォレリングも先日のツール ファムで悲願のマイヨジョーヌを達成し、そのまま好調を維持していると思われる。ITTも今季は3戦して全て2位(うち2回はチームメイトのローセルに僅差で敗れている)で、今回はアルカンシェルも視野に入れているだろう。他にもオランダ選手権ITTでフォレリングを大差で破ったリーアンヌ・マルクス、昨年銀メダルだったオーストラリアTT王者グレース・ブラウン、昨年世界選手権U23ITTで優勝(エリートでも4位)した成長中のイタリアの若手成長株ヴィットリア・グアジー、母国開催で力が入りそうなアンナ・ヘンダーソン、3年連続デンマークTT王者のエマセシル・ノルスゴー東京オリンピックRRの金メダリストで今年プロになったオーストリアTT王者のアンナ・キーセンホファー、ドイツTT王者のミーケ・クレーガーと、実力者が揃う。

他の候補は下記表を参照。ちなみに上から順に10位までこの順番になると想像している。なお昨年・一昨年と連覇していたエレン・ファンダイクは出産のため今季はレースはしていない。またファムのTTで3位に入ったベルギーTT王者のロッタ・コペッキーはトラックに出場するため個人TTは走らない(エリミネーションアルカンシェルを獲得した)。

 

 

 

◎その他の注目選手

こちらの記載した有力選手もトップ10に入る選手はいると思うが、上記優勝候補とは少し実力差がある印象。とはいえ、コンディションがあえば好成績も期待できる。星をつけた選手はどれも実力者。その中で個人的に期待したい選手は最年長のアンバー・ネーベン。彼女は過去に2回世界選手権ITTでアルカンシェルを獲得し13回もトップ10に入っているTTの第一人者。2000年代に活躍した選手だが、2021年も4位に入り今年のアメリカ選手権でも3位に入るなど、48歳(!)という年齢を感じさせない強者で応援したくなる。若手有望株のアントニア・ニーダーマイヤーも注目している。昨年頭角を現してきた総合系のクライマーだが、今年のジロstage5ではファンフルーテンらを振り切って逃げ勝ちドイツITT王者にもなった伸び盛りの選手。ポーランドTT王者のスカルニアクソイカはスピードがあり、短めの距離のTTは優勝候補にもあげられるが、30kmを超える距離のTTはそれほど得意ではない印象。他にはジョージ・ハウジョージャ・ウィリアムスジュリエット・ラブーもTT巧者。

 

 

 

◎2022年の個人TTの予想結果はこんなかんじ。

jamride.hateblo.jp