ロードレースみるひと

ロードレース観戦ガイドのブログ

ストラーデビアンケ 2023|リザルト

 

3月4日にイタリアで開催された【ストラーデビアンケ】は、今年も面白かった。このレースにはハズレがない。上位選手の成績と予想結果を簡単に振り返る。

*表内の選手のUCI世界ランクと年齢は2022年12月末時点。

 

 

 

 

◎レース結果:トップ10

違いを見せたのはピドコックだった。今年もかなり早いタイミングでの飛び出しが勝利につながった。相当調子が良かったのだろう。勇気のあるアタック、長い距離を独走するタフさ、荒地でのバイクコントロールはピドコックのライダーとしての優れた能力を見せつけるようだった。特にグラベル区間でのダウンヒルのスピードは驚異だ。スリッピーな路面で苦戦する選手が多い中、あんな速度で走るのは見たことがない。昨年タイトルを獲ったシクロクロス世界選手権を回避してまでロードレースに専念した成果としてこれでひとつ報われたといえる。終盤の追走グループ(2位〜6位までの5人)にベノートヴァルテルの二人を送り込んだユンボは有利に思えたが、少しちぐはぐさがあったのは惜しい。トップ10に二人入ったバーレーン(モホリッチビルバオグルパマ(マドゥアスグレゴワール)もチームとしてはいいレース展開に持ち込めたといえる。個人的に今季クラシックタイトルを取れると思って期待しているマドゥアスの2位は嬉しい。ベノートルイ・コスタは今季好調が続いていて、チームのエースとして出るレースも増えるだろう。ロマン・グレゴワールは注目していた若手だったが、想像以上に早くトップレベルに顔を出し始めた。フォルモロはイタリア人で最上位と健闘。クロンも好成績を連発していた昨年より更に安定感が増してきた。今年大きくブレイクする選手になりそうな気配も。この10人は今後のクラシックシーズンでも注目していくべきメンバーである。

 

 

◎予想結果:優勝候補ほか

ストラーデビアンケはやはり予想は難しい。だから面白い(あ、予想を外してる言い訳に聞こえますか笑)。トップ10では4人、次点でも2人と寂しい的中具合。優勝したピドコックマドゥアスベノートの表彰台3人を入れていたのはせめてもの救い。ヴァルテルも期待していたので活躍は嬉しい(レースではベノートとちょっと一悶着あったが)。ロータではなくルイ・コスタがエースだったこと、ロマン・グレゴワールアンドレアス・クロンをその他注目枠にも入れていなかったのは反省。どちらも悩んだ選手ではあったが、今後はもっと注目していきたい。フォルモロも過去にいい成績を残していたので驚きではないが、UAEウェレンスウリッシも上位にいたので、その辺りの読みは悪くなかった。トップ10は逃したが、クイン・シモンズは積極的なアタックを見せるなどらしさを感じさせて好印象。

優勝候補に入れていた(入れざるをえない)マチューは調整不足、アラフィリップもまだトップコンディションではなかった。今季が最後になるサガンは、寂しいが上位をメラウのはちょっと厳しいか。ベッティオルは調子は良さそうだったが落車によるリタイアは残念。

 

 

◎その他・雑感

今週末(3月18日)にあるミラノ〜サンレモの前哨戦としてみると気になる選手もちらほら。またティレーノ〜アドリアティコへ参戦した選手(マチューやアラフィリップなど)もそこそこいるので、そのレースぶりも踏まえてチェックしていきたいところ。その辺りの考察はミラノ〜サンレモへのレビューで記したい。例年落車が起きやすく怪我をする選手が出てしまうのだが、今年も数人が落車によるリタイアをしたのは残念である。ベッティオルは大きな怪我はなかったようだが、カルロス・ロドリゲスは骨折で復帰に時間がかかる。

 

◎レース前のプレビューはこちら。

jamride.hateblo.jp