3月26日にベルギーで開催される85回目の【ヘント〜ウェヴェルヘム】。石畳クラシック4連戦のふたつ目で、モニュメントに匹敵する格式のあるレース。2日前のE3よりもスプリンター向け。大きなレースの連戦で、ブログものまとめも一苦労でいつも以上にざっくりですがご容赦を。コメント薄めです(いつも内容はうすい)。
*出場選手が直前に結構変更されたので表を差し替え追記した_3月26日7:30現在(追記は赤文字)。
*優勝候補は10人(本命は3人)、その他有力選手は30人までを目安にしています。*情報は3月25日現在。出場選手は変更の可能性あり。表内の選手のUCI世界ランクと年齢は2022年12月末時点。
◎レース概要
走行距離は260.9km、獲得標高は1375mと平坦基調のコースだが、海からの強烈な北風が吹き付けるデ・ムーレンはあっと言う間に分断される緊張感があり、チームとしての力が試される。また、中盤から終盤にかけての周回コースで複数回登る激坂ケンメルベルグ(最大斜度20%越え)があり、スプリンターはどれだけこなせられるか。アタッカーとスプリンターの駆け引きも見所。
◎優勝候補
今回の優勝候補は「集団スプリント」決着になるという前提で選んだ。つまり、スプリントで勝負できるライダーばかり。各チームともエースクラスのスプリンターを揃えてきたからだ。だが、おそらくこの上位10名全員によるスプリントにはならないと思っている。それはケンメルベルグでスプリンターは半分くらい脱落すると思うから。その中で残る確率が高そう(登りもこなせる)で、かつ250km走った後にスプリント勝負が強そうなのが上の10人である。昨年の覇者ギルマイはもちろん期待しているが、フィリプセン、コーイ、メルリールにはスプリント勝負ではおそらく敵わない。ユンボのエースは悩むところ。ファンアールトをライバルチームが最大限に警戒するところをコーイが前に行くのでは、と考えた(つまりファンアールトとラポルトはアシスト的な役割になる・贅沢)。スプリントの切れ味でいえばコーイが上。昨年は同じチームで一緒に走ったフィリプセンとメルリールの初対決も楽しみである。ドゥリーにはトップ10を期待している。おそらくこのレースで初めてユアンからエースナンバーを受けて走る。
下の10人は最終局面に残れなさそうなスプリンター(サム・ベネット等)と、ケンメルベルグなどでアタックして逃げ切りを狙いそうなアタッカー(モホリッチ等)を選んでいる。TTでライバル関係のキュングとガンナが一緒にアタックしてクラシックレースでの直接対決なんて展開もかなり痺れる。いろいろ妄想に溢れるメンバーが揃っている。
*クイックステップにヤコブセンが追加された。エースはメルリールのままだと思うが、彼も十分優勝候補になりうる。先日のE3の結果に対してオーナーが怒っているという報道もあり3人も入れ替わった。なんらかのテコ入れがあったのかと。健闘を祈る…。
◎その他の注目選手
上記優勝候補にあげた選手のうち半分くらいは脱落すると思っているので、この表で★印をつけた選手は上位に絡む可能性は高いかも。中でもクラーウアナスン、ウェレンスあたりは本気でアタックしたらかなり強力。ただしどちらもフィリプセンやトレンティン(モラノ他も)などのチームメイトがエースと思われるので勝負はかけない可能性は高そうか。逆にメーウスはクラシックではエース格で走る可能性もあると期待している。カヴェンディシュ、ガビリア、アッカーマン、サガン、ニッツォーロなどビッグネームのスプリンターたちもうまくこなせれば面白いのだが、なかなか厳しそうに感じている。他の有力選手は下記表を参照。
*表に入れていた選手では5人が変更(ニッツォーロ他、下部に記載)。ヴァルシャイド、セネシャル、ファンウーデンを有力選手として追記。モラノはトレーニング中に交通事故で骨折したらしい。今季わりと好調だっただけに、早期回復願います(他の選手の変更理由は不明)。
◎過去の結果(2022年、2021年、2020年)
参考までに過去3年分の上位10位を入れておく。所属チームは今季との比較も。*2020年は新型コロナの影響で秋に開催された。ファンアールト、ピーダスン、キュングが2回トップ10に入っている。上位に入っているのはパンチャー系の(登りもこなせる)スプリンターが多い印象。出場選手中、過去の優勝経験者は、ギルマイ(2022年)、ファンアールト(2021年)、ピーダスン(2020年)、クリストフ(2019年)、サガン(2018、2016、2013年)、ファンアーヴェルマート(2017年)、デゲンコルプ(2014年)、ボアッソンハーゲン(2009年)。過去の王者、勢ぞろいである。
なお北クラシックでは抜きん出た強さを誇るクイックステップが(今年もいまひとつとはいえ)唯一勝っていないベルギークラシックレースで、勝利は悲願でもある。