【基礎編】様々なレース。
ロードレースは世界中で開催される人気スポーツ。メジャーレースはヨーロッパが多く、ベルギー、フランス、イタリア、スペインが中心。他にアメリカ、オーストラリア、UAEなどでも規模の大きなレースもあるが、日本をはじめアジアやアフリカはそれらよりは下に位置付けられている。ヨーロッパでは100年以上続いている文化として、日本でいう箱根駅伝や高校野球のようなコンテンツだといってもいいかもしれない。
レースには1日で行われるワンデーレースと複数日で開催されるステージレースがあり、いくつかのランクに分けられている。シーズンは1月〜10月。3月から行われるワンデーレースには「クラシック」と呼ばれるメジャーレースが開催され多くの有名選手が参加し、中でも「モニュメント」と位置付けられるレースはグランツール(ツール・ド・フランス、ジロ・デ・イタリア、ブエルタ・ア・エスパーニャ)と同じくらいの栄誉を称えられる。覚えておいたほうがいい代表的なレースは以下の通り。
◎レースのクラス(ランク)
UCIが格付けするレースのクラス。クラスによってポイント配分が違い、出場できる選手も制限がある。例えるとサッカーでいうJ1・J2・J3のようなカテゴリー分け。
◆UCIワールドツアー
・一番上のクラス。ワールドチームは出場義務があり、一部のプロチームも出場可能。
◆UCIプロシリーズ
・2番目のクラス。プロチームが主に出場。ワールドチームは招待により出場可能。日本ではジャパンカップだけ。
◆UCIコンチネンタルサーキット(クラス1、2)
・3番目のクラス。プロチームとコンチネンタルチームが出場可能。ワールドチームも出場可能だがポイントはつかない。日本のレースは基本的にこのクラス。(ツアー・オブ・ジャパンだけクラス1。他はクラス2)
◎ワンデイレース
パリ〜ルーベは『北の地獄』と呼ばれる過酷なレース。
1日で行うレース。最初にゴールした選手が優勝。
◆クラシック・・・伝統と格式のあるメジャーレース。
★モニュメント・・・最高峰クラスの5大クラシック。
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★ミラノ~サンレモ(イタリア・3月)
◆ E3ビンクバンク・クラシック(ベルギー・3月)
◆ ヘント~ウェヴェルヘム(ベルギー・3月)
★ ロンド・ファン・フラーンデレン(ベルギー・4月)
★ パリ~ルーベ(フランス・4月)
◆ アムステルゴールドレース(オランダ・4月)
◆ フレッシュ・ワロンヌ(ベルギー・4月)
◆ クラシカ・サンセバスティアン(スペイン・7月)
★ イル・ロンバルディア(イタリア・10月)
◆世界選手権(開催国は変動制・10月)
◆欧州選手権(開催国は変動制・9月)
◆国内選手権(開催国別・6月が多い)
◆オリンピック(開催国は変動制・4年に一度)
ワンデーレースは丘陵ステージが多い。コースは200km以上が多く、名物の激坂や石畳があったり難易度が高いため、チーム戦略も高度になりレースの緊張感は高い。また1日勝負なので、仕事を終えたアシストは途中リタイアも多い。つまり手加減なしでアシストする。総合系エースが強いとは限らなく、「クラシックハンター」と呼ばれるパンチャー系かルーラー系の選手エースになる。また一発勝負にかけて、本気で大逃げする選手も多く、序盤から目が離せないような展開にもなる。
◎ステージレース
ジロのリーダージャージはピンク色の『マリア・ローザ』。
数日間かけてトータルの時間の少なさを競うレース。
ステージ毎に優勝者がいる。
総合優勝以外に、ポイント賞、山岳賞、新人賞などがある。
★グランツールが最高峰。
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◆ パリ~ニース(フランス・3月)
◆ ティレーノ~アドリアティコ(イタリア・3月)
◆ ヴォルタ・カタルーニャ(スペイン・3月)
◆ イツリア・バスク・カントリー(スペイン・4月)
◆ ツール・ド・ロマンディ(スイス・5月)
★ ジロ・デ・イタリア(イタリア・5月)
◆ クリテリウム・ドーフィネ(フランス・6月)
◆ ツール・ド・スイス(イタリア・6月)
★ ツール・ド・フランス(フランス・7月)
◆ ツール・ド・ポローニュ(ポルトガル・8月)
★ ブエルタ・ア・エスパーニャ(スペイン・8~9月)
◆ベルネクス・ツアー(オランダ・9月)
コースは平坦・丘陵・山岳がそれぞれ1/3ずつと、他にTTが1~2ステージも。総合優勝狙いとステージ優勝狙いが混在する。総合勢に主にタイム差がつきやすいのは山岳コースとTT(タイムトライアル)のため、総合エースは登りの強いオールラウンダーかTTの速いクライマー。また、スプリンターは山岳が苦手なため、タイムアウト(トップとのタイム差がつき過ぎると失格)との戦いもある。
★2022年の主要レース(ワールドツアー)についてはこちらで順次解説。