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ロードレース観戦ガイドのブログ

チームと選手の成績チェック【4月終了時】

 

春のクラシックシーズンが終わった。活躍したチームや選手がいる分、期待に添えなかったチームもある。現時点での成績をチェックしてみた。

 

◆2月の成績振り返りはこちら。

◆3月の成績振り返りはこちら。

 

 

 

 

◎チーム成績(勝利数)

ここまでのチーム勝利数トップはUAEチームエミレーツ。だが、勢いは少し落ちている。4月は0勝。クラシックのビッグレースではひとつも勝てなかった。それでも獲得ポイントも依然1位のままであり、最強チームのひとつなのは間違いない。勝利数2位になったのはイネオス。4月にあげたのは8勝。新人も含めた若手の活躍と、今までにないクラシックレースでの勝利はチームの新しい可能性を示した。4月のもうひとつの中心チームだったのはバーレーン。8勝を上げて獲得ポイントでも4位にあがった。好成績をあげた昨季を上回る過去最高の成績を上げるのは間違いなさそうだ。どのレースにも複数のエースで勝負できるチーム力の上積みは素晴らしい。*クラシックレースの成績についてはまた別のブログで少し詳しく書く予定。ユンボは4月は4勝をあげて、獲得ポイントも全体2位をキープ。移籍で獲得した選手も機能し好調が続いている。このままグランツールでも中心のチームのひとつになるだろう。アンテルマルシェの躍進も目立つ。4月は勝利数こそひとつだったが、パリ〜ルーベではトップ20に5人も入り、リエージュではヘルマンスが2位になるなど、クラシックで大きく活躍。ロットコフィディスも先月からの好調をキープしまずますの成績。グルパマも4月は健闘。勝利数こそひとつしか増えなかったが、キュングやマデュアスらが好成績を続けてポイントを獲得した。ピノも久々に勝利をあげ、これからのグランツールで結果を出していきたい。

残念なチームは、クイックステップは。ここまで19勝しランク6位は悪い成績ではないのだが、昨年までの春のクラシックでの最強チームだった面影はない。クラシック最終戦リエージュでレムコが勝利したのが救い。稼ぎ頭の一人のアラフィリップも大怪我で戦線離脱し、昨年の成績には及ばないことがほぼ確定だが、ウルフパックらしい勝利を目指して欲しい。ボーライスラエルDSMは4月は少し改善傾向が見えた。このままをあげていきたい。バイクエクスチェンジは4月は好成績を残せなかった。マシューズ、サイモンの二人頼みからの脱却がないと厳しい。EFアスタナはずっといいところがない。かなり厳しい状況で、今の所上昇する気配もない。

AG2Rモビスタートレックは可もなく不可もなくといったところ。ただしモビスターに関してはバルベルデが引退すると大きな戦力ダウンになりそう。ワンデーレース、ステージレースともに簡単に後継者を作れる選手ではないが、複数人でその穴を埋めていかないといけないだろう。

 

プロチームでは、アルケアが好調をキープしている。クラシックに強いチームではないので、この時期で8勝・ランク5位は立派。グランツールでどこまで伸ばせるか。アルペシンも順調に勝利を伸ばしてきた。プロチーム最強の座に就くのも時間の問題か。ジロでのマチューの活躍にも期待。トタルもまずまず。4月はいまひとつだったが、3月までがかなり好成績だった貯金も含めて順調と言える。ウーノエックスアンドローニもまずまずの成績。

 

今年も激闘になったパリ〜ルーベの優勝はファンバーレ。クラシックを勝ちまくるイネオスの姿は新しい。

 

リエージュ〜バストーニュ〜リエージュを制したレムコ・エヴェネプール。ウルフパックの意地を見せた。

 

 

◎個人成績UCIポイント)

現時点のランキング上位50名を表にした。2月に続き好調な選手と、ビッグレースで結果を残した選手が順当に上位に入った。名前の背景色をピンクにしているのが、3月から特に大きく順位をあげた選手。(クラシックレースの成績については別のブログ記事で取り上げる。)この中で特筆したい数人をピックアップすると、ニエル・マルティネスキュングディラン・トゥーンス。3人とも複数レースを好成績で走りきり、ポイントを多く獲得した実力者だが、キャリアハイの成績を残しそうな好調ぶり。バルベルデコスヌフロワビルバオイギータクリストフは安定して上位の成績を残し、好調をキープ。

チームとして多く選手がいるのは、UAEイネオスが6人、アルケアが4人、ユンボが5人。バーレーンコフィディスアンテルマルシェが3人。アスタナEFイスラエルは一人も入っていない。

 

ロンド・ファン・フラーンデレンを制したマチュー・ファンデルプール。彼が戻るとアルペシンは強い。

 

フレッシュ・ワロンヌを制したのはディラン・トゥーンス。今年の好調バーレーンを象徴する選手の一人。

 

 

◆期待の若手はこちらでも紹介。

◆昨年の年間ランキングトップ50はこちら。

 

5月はいよいよジロ・デ・イタリアが始まる。ステージ優勝を狙うスプリンターを擁するチームと総合系上位に入る選手たちが成績を上げてくるだろう。ここ数年のジロは若い選手の活躍が目立つ。今年も新しい選手の台頭がきっとあるだろう。まだまだ楽しいレースが続く。