チームと選手の成績チェック【5月終了時】
グランツールシーズンがはじまった。ジロの成績が大きくポイントに影響したので、チームも個人もランキングが大きく入れ替わった。入れ替わった選手を見るとジロで活躍した選手たちがよくわかる。現時点での成績をチェックしてみた。
◎チーム成績(勝利数)
*今月からチーム順をUCIポイントの獲得順にしています。
チームのランキングは動きがあった。開幕してからずっと首位に立っていたUAEチームエミレーツをイネオスとバーレーンが抜いた。ジロで獲得したポイントで大きくジャンプアップ。バーレーンは総合3位のランダ、5位のビルバオ、12位のブイトラゴはステージ1勝もして、大きくポイントを稼いだ。UAEは勝利のペースが鈍っている。他にジロでポイントを多く稼いだチームはボーラ、アンテルマルシェ。ボーラは二つのステージを勝ち、総合優勝のヒンドレーを筆頭にトップ20に4人もいれて荒稼ぎ。アンテルマルシェもステージ2勝含む5勝をあげて、年間勝利数は昨年の9勝を上回る11勝に達した。ジロのトップ10にも2人入るなどポイントも多く獲得、すでにチームとしては昨年一年分以上働いた状態で中堅チームの地位を確立しているのが素晴らしい。プロトンの中でも日に日に存在感を増している。グルパマ、ユンボ、トレック、バイクエクスチェンジも成功といえるくらいはジロでポイントを稼いでいる。
ここまでのチーム勝利数トップはクイックステップが奪い返した。レムコが一人で5月に4勝をあげたほかヤコブセンとカヴェンディッシュと合わせて7勝し、合計26勝になったが、例年のようにクラシックといった大きいレースでは勝てていないのでポイントは低くなっている。ロット、コフィディスは先月からの好調をキープしまずますの成績。バイクエクスチェンジ、イスラエルはようやく上昇気配。年間の獲得ポイントも下位に沈んでいただけに、これからの奮起を期待したい。
残念なチームは、モビスター、DSM、アスタナ、EF。モビスターのバルベルデ、アスタナのニバリ、EFのカーシーはジロで活躍したが、それ以外の選手に全くいいところがない。モビスターとアスタナは今年いっぱいで引退する選手頼みという厳しい状態から脱却するにはほかのチームから有力選手を引き入れるしかないのだろうか。
プロチームでは、アルケアがランク7位と相変わらず好調をキープしている。ジロに出場しなかったものの他のレースで2勝し、年間勝利数は昨年と同じ数になった。アルペシンはジロで3勝し、さらに加速してきた。先日、スポンサー変更に伴い、来季からのチーム名を「アルペシン・ドゥクーニンク」にすることが発表され、いよいよワールドチームカテゴリーへの参戦を表明した。さらに勢いがついてきそうな様子がうかがえる。トタルエナジーズ、ウーノエックス、アンドローニもまずまずの成績。
ジロで総合優勝したヒンドレー。ボーラに初のグランツールタイトルをもたらした。
◎個人成績(UCIポイント)
ジロで主役の一人だったマチュー・ファンデルプール。初日に優勝しマリアローザを着て、連日アタックを繰り返しレースを大いに盛り上げてくれた。
ジロでステージ3勝したデマールは、自身2度目のマリアチクラミーノを獲得した。
第5ステージのレース後、今季限りでの引退を発表したニバリ。最後のジロで4位という素晴らしい成績。自らキャリアに華を添えた。
ロードレースシーズンもおよそ半分を過ぎた。だけど熱い季節はこれからだ。
*2月=4月終了時の成績まとめはこちらから↓